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14 告白は逆境であれば、さらに研ぎ澄まされる

 十分な攻撃を終えて、愛川はロカリア王女から出てくる。

 部屋の床に足を下ろして、彼女を見る。

 その姿はモンスターの姿のまま、うつ伏せになっていた。


「しばらくはこのままでしょ」


 立ちながら愛川が状況を察した声を出し、ライオロスは声をかける。


「ええ、ずいぶんとうなされていたようですので、何をしたかは分かりませんが、すぐには起きないでしょう」


「王女の中でハリセンでたくさん叩いてきたの。私はこんなこともできるからね」


「は、ハリセンで、ですか……」


 愛川から聞いたハリセンという武器について、ライオロスは戸惑いを言葉にした。


「えっと、次にすぐ人間に戻るとして……あと、柄池君はどうやったら戻るんだろ?」


「確か、ピンクのステッキで柄池殿に触れていましたね。それで、操られたことは分かります」


 愛川の疑問にライオロスが答える。

 柄池の問題は理解した。

 ならばやることは一つ。


「よし、壊そう。それ」


「え、壊して大丈夫なのでしょうか?」


「分からない! でも、あんなもの残しておきたくないし」


「愛川殿の言い分も分かりますが……その方法は」


 愛川は壊す意思を示し、ライオロスはその方法には待ったを入れたいと話す。

 あんな物を残して柄池を誰かの言いなりにさせたくはないからだ。


 そのステッキを探すと、目立つ色ですぐに見つかった。

 愛川は人間に戻ってから、ステッキの元へと歩んで、手中に収める。


「よし、簡単に壊せそうだし……ふぬん!」


 早速と愛川はステッキを両手持ちして、中心目がけて膝でへし折ろうとする。

 膝はステッキに命中して、音を立てて二つに分かれた。


「ああ、どうなることか……逆効果にならなければ……」


 裏目のことを話してライオロスは不安視する。

 とにかく解決したいと考えて手っ取り早い方法がこれだったので、壊す手段を愛川は選んだ。

 すると、柄池はふらつき始めて、倒れそうになった。


「あ、柄池君!」


 愛川は柄池の元へと駆け付けようとする。

 しかし、急いで走っても距離が届かない。

 そのまま倒れると思った矢先に、にゅるじが柄池の下で膨れて、クッションとしての機能を果たしたのだ。


「にゅるじ、ありがとう! もう大丈夫なのね?」


 愛川は声をかけて、柄池とにゅるじの元へと着いた。

 そして、こちらの手へとにゅるじは自らの一部を伸ばす。


『回復したにゅす。問題ないにゅすよ』


「よかった。無事元気みたいだね」


 問題なしとのにゅるじに愛川は安心をした。

 こうなることは聞いてはいたが、実際に動けて改めて安心を感じていた。

 一方、ライオロスの方は柄池の顔へと近づける。


「柄池殿、大丈夫でしょうか?」


「え? ああ……って、愛川さんもここに? ロカリア王女は?」


「私と愛川殿が力を合わせて倒しました。あの倒れている姿がロカリア王女です」


「そっか、愛川さんにも憑依してってことか。ありがとうね、愛川さん、ライオロス」


 ライオロスが疑問に答えて、柄池は愛川に礼を言う。

 礼を言われて、得意げな言葉は出せないもの、代わりに自身から出た言葉はこうであった。


「ま、まあ当然だし。危なかったから」


「とりあえず、俺をこうした元凶は倒したという訳かな。命を狙われているってのもロカリア王女の嘘だったから」


「あ、やっぱり嘘だったんだ。なんとなく怪しかったもん、あいつ」


 柄池は今回の騒動はほぼ解決したと言葉に出して、愛川はロカリア王女の嘘に気づいた。

 ただ、命を狙われているということがなくて、安心した部分もこちらにはあった。

 ここで愛川はふと気になることができて、ライオロスへと質問しようとする。


「あ、そういえば、私が見てない間に柄池君は何かされてた?」


「ああ、それは、っと大丈夫です。ロカリア王女も準備に戸惑って、結局、操り人形にしただけで他は何もしておりません」


「そう、ならいいけど」


 ライオロスの話に愛川は安心をする。

 何かやらしいことをされていたとなれば嫌だったが、見ていたライオロスがそう言うのであれば安心があった。


 そうしている間にロカリア王女はかすかに動き始めて、起き上がろうとした。


「……ひどい目にあいましたわ、今の状況は一体……?」


「ロカリア王女、お目覚めですか」


「あ……柄池さん……」


 話す柄池を見て、ロカリア王女は引きつった表情へと一気に変える。


「こんなことした理由は分かったけど、何か言うことはあるかい?」


「……私が悪かったことは分かっていますわ。ただ、一つだけ」


「何か?」


「私は柄池さんを……まだ、諦めていません。惚れた感情はまだ私の中に」


 柄池が内容を聞くと、ロカリア王女は心中を語る。

 同時に彼女の獣のような体毛も縮んでいき、牙も人間の時のように戻った。

 同時に、彼女の言葉へ異論が湧いて、愛川から言葉が出る。


「ちょっと! こんな空気で何を言っているの?」


「柄池さんとの子供がまだ欲しいとも思っていますわ。この状況でも」


「な! どさくさ紛れに何を言うー!」


 ロカリア王女はさらに心中を言葉にする、愛川の不満言葉を聞きもせずに。


「なので、私は罰を受ける覚悟はできています」


 罰を受けるとのロカリア王女の覚悟に、柄池は言葉で反応した。


「そうか……分かりました」


 ロカリア王女の覚悟を聞いて、柄池は頷く。

 その頷きは少し重いようにも愛川は思えて、柄池は言葉を続ける。


「俺だけでなく愛川さんにまで危害を加えたからね。今回の件で何もなしは、流石にまずいから」


 愛川の方を見て話し、そこから柄池はロカリア王女へと向き直る。

 そして言葉を続けたのだ。


「今回は俺への好意を利用する、それを罰として受けてもらいます」

*ロカリア王女のもう一つの形態も設定場所に公開します

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