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7 ロカリア王女の誘い

 ロカリア王女は倒れた柄池を見て、口を開く。

 部屋に存在するのは自身と彼だけである。

 薄暗い部屋に沈黙存在したが、それも破られた。


「さあ立ってください。柄池さん」


 ロカリア王女は柄池に命令をする。

 その指示に何の迷いもなく彼は立つ。


「柄池さんもこれで私の操り人形ね。それと……」


 操り人形としての確認もこれでとれたわけである。

 もっともまだ終わりでないことはロカリア王女も分かっていることだ。


 壁の方へと小さい光玉が向かう光景を見逃していない。

 ロカリア王女は一飛びして、光玉のほうへと接近する。


「こそこそやっている霊体も逃がさないつもりですわよ」


「なっ! ばれていたのか……」


「あなたのことも知っていてよ。かつて水の都市の騎士団所属のでしょう? 騎士団長候補とも呼ばれていたあのライオロスさん」


 密かなライオロスの行動も身元も知っているとロカリア王女は話す。

 自身は彼の上からポーションビンを振るう。

 光玉のライオロスはそのままポーションのビンに収まり、それにふたをする。


「なっ!? 出られない!」


「あなたが憑依して戦闘することも知っているわ。なので、霊体を確保するための特別なビンで閉じ込めさせてもらいましたわ」


「そんな、これでは……」


「今の柄池さんでは憑依しても無駄でしょうけど、あなたは自由にさせると厄介でしょうからね。そこでおとなしくしてもらいますわよ」


 ライオロスはビンの中でがむしゃらに動いて出ようとするも出られず、ロカリア王女は話しながらビンを運んでいく。

 霊体である彼を放置すれば、こちらのやりたいことの妨げになる。

 下手すれば柄池を連れていくことも可能かもしれない。

 だからこそ、霊体の彼は拘束しておく必要があるのだ。


 収めたビンをベッドから離れたところへ置いて、柄池の元へと向かう。


「柄池さん。これであなたも私の意のままよ」


「……」


 ロカリア王女が柄池に向けて話しかけるも、答えない。

 彼の顔へと手を伸ばし、両手で顔に触れる。


「見たときから、あなたは素敵な人でしたわね。これも一目ぼれというのでしょうかしら?」


 意思のない柄池にロカリア王女は語る。

 これも彼は聞いてはいないが、それでも口から言葉が出る。

 一方的に話して思い通りに動かすというのも、悪くはないからだ。


「救済者様と聞いてどんな人かと思えば、こんなに優しく許容のある人とは思いませんでした。嬉しい予想外でしたわ」


 惚れた理由を柄池に語る。

 そして、顔と顔の距離を近づけて、ロカリア王女の腕を彼の頭に絡める。


「ですけど、柄池さんは元の世界へと帰るのでしょう? 基本、救済者は役目を果たせば帰りますから。ならば、私はそれを引き留めるつもりはございませんわ。ですが……」


 ロカリア王女は目的を果たした救済者の後も知っていた。

 この世界の人間ではない以上、救済者に帰る意思はある上、その意思がなくならない限り救済者は去ってしまう。

 ならば、この場でやることは一つ。


「この場で私と柄池さんの子供を作ってもいいでしょう? 男性の本能を満たしてあげましょう」


 言葉の後にロカリア王女は腰を押し付けて、自身の片足を柄池の片足に絡める。

 お互いの腰の物が触れ合い、刺激的な快楽に自身は身を震わす。

 その快楽は絡んだ手足の力を不意に強めもした。


「私は独り身ですし、柄池さんと私の子供に都市の未来を託すのもいいでしょう」


 子供を宿す目的を柄池に語る。

 父も母も亡くなった身であるので、自身の血統と後を継ぐ人も欲しかったこともある。

 そして、彼が去った後の形見としても。


「それでは最初に夫婦としての契りを……口づけを……」


 ロカリア王女は柄池に口を近づける。

 夫婦として子供を宿すための前準備として。


 だが、その口はお互いに触れることはなかった。

 ロカリア王女が顔を近づけることを止めてしまったからだ。


「……」


 無言が空間に流れる。


「……く、口づけというのも覚悟がいりますわね。初めてでしたから、こんなに重大な行為とは思いませんでしたわ」


 口づけの重みに耐えられなかったロカリア王女は一旦口と口の距離を放す。

 柄池に交わるよう言えばそれで済むが、やはり口づけの前準備はどうしても必要であった。

 顔の向きを変えて一息をする。


「よし、もう一度。覚悟はできたわ。もう一度……」


 再度柄池に向き合って顔と顔の距離を近づける。

 しかし、それでもロカリア王女は出来なかった。


「……やっぱり出来ない。何が私に足りないのでしょうか? は、もしかすると……」


 再び顔と顔の距離を放して思考する。

 そして、一つの結論が浮かんだ。


「腹筋ね! 筋トレして気持ちをリセットすれば、行けるはずですわ! ならば早速ベッドで!」


 結論が出てすぐさま、柄池との絡みを解いてベッドへと向かう。

 その足は身軽で素早かった。

 ロカリア王女は筋トレの態勢へと入った。


「1、2、3、4、5……はっ! しまった、これは腕立て伏せじゃない。気持ちが変でしたから、くだらないミスをしてしまったようね。よし、改めて腹筋を100回……」


 腕立て伏せの姿勢から腹筋の姿勢へと改める。

 柄池を差し置いて、ロカリア王女は腹筋へと移ることになる。

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