#7
あれから考えが纏まらず、静かに夕食をいただき、お風呂を済ませている内に就寝時刻になってしまった。
今のわたくしの初等科の頃の身体で前世と同じ就寝時刻だと成長に影響するという話を聞いたことがあったので、早く寝て明日に備える。
寝て起きたら、朝日がのぼり、目を覚ます。
朝食を食べ、身支度を整え、送りの車で学園へ向かう――
それがわたくしの朝のルーティンになっていた。
◆◇◆
「――――この問題、分かる人いるか?」
「「はーい!」」
「じゃあ……リーチくん!」
「はい!……」
何気ない授業風景。
二度目のわたくしにとって初等科の一年生の授業の内容は簡単すぎるからつまらない。
でも、今は授業中なのだから集中しなければ!
「――ここは……セレスさん読んでもらえる?」
「はい。…………」
わたくしは教科書を淀みなく読み上げると周囲はざわざわしていた。
予習や復習は役に立つものね。
あら? わたくしはもしかして注目されているのかしら?
「セレスさん、ありがとうございます。みんなも上手だけど、セレスさんみたいにスラスラと教科書を読めるようになるといいな」
先生に褒められることはいくつになっても実に嬉しいものですわ。
クラスメイトの澄んだ視線と鋭い視線がわたくしに向けられている。
「せんせい、わたしだってがんばってきょうかしょ、よんでますよ」
「ぼくも!」
「せんせいはセレスさんをとくべつあつかいしているんじゃないですか?」
それだけで注目の的になっているのは分かるが、憧れなのか批判的なのかどちらなのかは分からない。
いや、もしかしたら両方なのかもしれない。
「まあまあ。みなさま、おちついてくださいまし」
「先生はセレスさんを特別扱いにはしていないよ。彼女はみんなの目標として授業や行事に取り組んでほしいと思っている。もちろん、先生にもさっきの言動に問題があったとは思うので、この場を借りて謝罪させていただく。すまなかった」
「せんせい?」
「みんなはもちろん、先生にも至らないことがあるかもしれない。だから、問題なく楽しく過ごさないか?」
「みなさま、せんせいがこうおっしゃっているのですからゆるしてあげましょう?」
「そうだね」
「すみませんでした!」
はあ……わたくしは初等科だけは穏便に過ごしたいと思っていたところでしたのに、先生の褒め言葉のせいで台無しですわ。
これでは前世のわたくしがダダ漏れじゃありませんか!?
前世ならば今後は確実にいじめのターゲットになるのですが、残念ながら今のわたくしは全く同じ人生を選びませんわ!
そう決意した瞬間だった。
2025/12/10 本投稿




