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第八十話 神父の本性

 神父の不可解な行動を受け、直ぐ様天草分校へ逃げる弥勒ら。道中で、山崎校長補佐ら天草分校側も、教会を疑っていたことを知る。

 まるで予想していたことかの様な、やけに迅速な後退に、巳代は違和感を覚えた。

「校長補佐、当たり前の様に警戒して離れていますが、よくあることなんですか」

「いいや……初だ。しかし、いつかこういうことが起こると思っていた」

「どういう意味ですか。やつらは弥勒になにをしたんですか!」

「第六感で近くの時間を強制的に高速で読み込み、記憶を覗いたんだろう。奴らは……惟神に対して反乱を起こす危険性があったのだ。神秘外交の中で、八百万を淘汰して自分達の神の国を、この天草に築こうとしている可能性があった。数百年間、潜伏キリシタンが存在したことから、それは受け入れられやすい土地柄ではあるが、しかし天草は自然が多くて八百万もそこら中にいる。奴らはそれを淘汰する素振りを見せなかったから、奴らの真意を探っている最中だったのだよ」

「つまり連中は……ついさっきあの瞬間に、惟神に敵対する意思表示をしたと……?」

「そう考えている。だが妙だ。襲っては来ない……また惟神に対しても攻撃を仕掛けてこない。こちらの想定通りであれば、我々を逃がしたり、連絡をさせるだけの猶予を与えることすらありえない。だが先程の殺気と敵意は……勘違いではない」

 山崎校長補佐は困惑していた。だが弥勒、巳代、渋川にとっては、それは合理的かつ予想通りの対応であった。

 大友の手先であれば、惟神に敵対して弥勒の記憶を覗くことはあっても、八百万を攻撃する必要もない。そして弥勒ら一行を逃がした所で、大友の存在が知られていない以上、九州独立の真意と、八百万や藤原氏を用いた九州の掌握という方法について悟られることもないのだ。


 弥勒らが立ち去った後、ドン・アントニオは高笑いをしていた。

「これでようやく尻尾を掴んだぞ……全く、チンピラなんて使うからみすみす逃してしまうのだよ」

「これで、我らが大志を阻もうとする邪魔者を排除できますね、ドン・アントニオ様」

「そうだな、ヨハネ。早速、長崎のドン・フランシスコへ伝えなさい。邪魔者は目論見通り、皇弥勒だったと。きっと、あの女を向かわせると連絡が来るだろう」

「これでこんなド田舎から異動になるかもしれませんね。都会とまではいわなくとも、少なくとも人里位には」

「ドン・フランシスコは功績に報いる公正な方だ。きっとそうして下さるだろう。それから……あの男にも状況を共有しておきなさい。余計なことをさせない為にもね」

「勿論、伝えておきます。足利翔太は強い駒ですから、血気に逸る前に、大人しくさせなくては」

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