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279話 「黒幕はセンエースです!」……正解!!


 279話 「黒幕はセンエースです!」……正解!!


 そこで、ガリオは、

 ヒークルの配下パッサに視線を送り、


『現状だと、貴様の証言が議論の中心。いうまでもなく、私の前での偽証は、大きな罪である。それを踏まえた上で……話せ。貴様はなぜ、昨夜、ヒークルを襲った?』


 その問いに対し、

 パッサは、天を仰ぎ、大声で、


「魔人センエースに、そう命令されたからです! やらなければ殺すと脅されました! この暗殺事件の黒幕は魔人センエースです!」


 悲鳴のような叫び。

 命を賭したメッセージ。


 そこで、ガリオは、センに、


『ということらしいが? これだけまっすぐに証言するということは、やはり、貴様がけしかけたのではないか?』


 ――現状のガリオの視点では、

 本当のところ、どっちの発言が正しいのかは分からない。

 ……分からない……が、『たぶん、センエースはそんなことしないだろう』とは思っている。

 ただ、同時に、『そう思わせておいて、本当に暗殺を企てたのかもしれない』とも思っている。

 結局のところ、ガチで半々。

 『やったのだろう』と思っているわけではないが、

 『やっていない』とは断言できない。

 そんなあやふやな状況。


 そこで、センは、


「あ、なるほど、わかった」


 ポンと、手を打ちながら、そうつぶやく。

 ガリオが、


『わかった? なにが分かったという?』


「この、キモい状況、なんなんだろうなぁ……と、ずっと考えていましたが、ようやく、筋の通った推察ができました。俺、最初は、ヒークル様が、パッサさんとグルになって、俺をはめようとしているんだと思いましたけど、それって、成功する確率、だいぶ低いんですよね。何かしら証拠的なものを作っているっていうなら、まだ理解できるんですけど、それもなく、ただただ、配下の証言頼り。なに、これ? バカなの? 死ぬの? と思っていましたが……一つ、前提を加えると、納得できる筋道が見つかりました」


『ふむ……ちなみに、それは?』


 そこで、センは、ヒークルに視線を向けて、


「……ヒークル様、あなた……マジで、パッサさんに暗殺されそうになったんですね?」


 その指摘に、ヒークルの顔がこわばる。

 センは続けて、


「魔人を殴れなくなってストレスの発散場所を失ったあなたは、最近、配下にあたるようになっていた。いずれどこかで、誰かの不満が爆発するだろうとは思っていましたが、暗殺という形で爆発したんでしょう。……で、ヒークル様は、それを利用しようと考えた。いやぁ、ダサいっすねぇ。まだ、俺をハメようとして、パッサさんに協力してもらっている、という方が、領主として、ギリ、マシでしたよ。だって、それなら、ヒークル様には『ガリオ様を騙すという、命がけの作戦に協力してくれる配下がいる』ってことですもん。逆にすげぇ。だから、俺、最初、そっちのパッサさんのこと、すげぇって思ってたんですよ。ヒークル様のために、そこまでするんだーって。なんでだろーって。昔、命でも助けてもらったのかなーって。……でも、違いましたね。暗殺に失敗して、そのしりぬぐいとして、今、そこで、捏造虚言を叫ばされているってだけなんですね。いやぁ、ヒークル様、ダサい。ダサすぎる。普通に裏切られて、暗殺されそうになって……その上で、ヒークル様は、パッサさんを粛清する勇気すらないんでしょ? これ以上手ゴマを失うわけにはいかないから。暗殺されそうになっているのに、それを許さないといけない……うわぁ、一番ダサい」


 そんなセンの推察を受けて、

 ガリオは、パッサに、


『というのが、センエースの反論だが……もちろん、それに反論できるな、パッサ』


「は、はい。もちろん! ……センエースが言っているのは、ただの大嘘! 己の罪を、私やヒークル様のせいにしようとしている、卑劣な責任転嫁に他なりません!」


『だが、筋が通っているとも言える』


「……っ」



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― 新着の感想 ―
センの考察が鋭すぎて鳥肌が立ちました!単に否定するんじゃなく、現場の違和感からヒークルの「小物感」を暴いていく流れが最高にクールです。
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