表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
273/281

273話 ヒリつく交渉。


 273話 ヒリつく交渉。


「大ありだ、この、くそバカ野郎ぉおおおおおおおおおお!! なに、火事場泥棒みたいなことをしていやがるんだぁああああ!」


 今にも頭の血管がちぎれそうなヒークル。

 そんなヒークルとは対照的に、

 センは、カラカラと笑いながら、


「でも、クロッカ様からも、そうするように言われてしまいましたよ?」


「あ?!」


「今後は、この街の防衛が難しくなるから、守ってやれ……と直々に命令を受けまして。俺的には、面倒なので、お断りしたかったのですが、クロッカ様は、一度言い出すと、俺の話とか聞かないので……まったく、困ったお嬢様ですよ。ヒークル様も、そう思うでしょう?」


「ぐ……ぐぅ……」


 クロッカの名前を出されてしまうと、

 流石に、そうそうイチャモンはつけられない。

 とはいえ、手段がないわけではない。

 センがクロッカを出してくるのであれば、

 ヒークルはガリオを出して叩き潰すまで。


 社会的な地位は、ガリオの方が圧倒的に上なのだから。


 ヒークルは、すぐさま、ガリオに連絡を入れて、豪快に泣きついていく。

 もはや、自分で解決しようという気はさらさらない。


 ヒークルから、話を聞いたガリオは、


『流石に、そのワガママを認めることはできない』


 と、余裕で、ぶった切ってきた。

 クロッカは、別に、上に話を通していたワケではない。

 『この街の安全をセンエース戦闘団で守れ』という命令は、あくまでも、クロッカが勝手に言っているだけのこと。


『クロッカは私の方で叱っておく。流石に無茶が過ぎる、と』


 と、そんなことを言ったガリオに、

 センは、


「しかし、ガリオ様。それでは、この街の保全は、どうするのですか? 大ケガを負っているヒークル様一人に、全てをお任せするのですか?」


『どうしても必要なのであれば、こちらから人間の部隊を送る。無理に、魔人の部隊を運用する必要などない』


「そうですか。となると、その部隊とやらが、ここに来るまでの間に、あの大量リッチ部隊級の問題が起きたら、この街は終わりということですね」


『……』


「ありえないとも思えないんですよね。『デス』の力は思った以上に強力です。まさか、あれだけの数のリッチをコントロールできる力をもっているとは……もしかしたら、どんどん成長しているのかもしれませんね。だとしたら、相当ヤバそうだ。……『ガリオ様が送ってくる予定の部隊』が、この街に到着するまで、どうにか、なんとか持ちこたえたとしても……到着と同時に殲滅されるかもしれませんね。街も人も……どんどん消えてしまう……その時には、ヒークル様も、当然死んでいることでしょう」


『貴様の部隊なら、守り切れるというのか?』


「というか、普通にクロッカ様の戦闘団以外、無理でしょ? 今のところ、ある程度自由に運用できて、これだけ強い部隊……ほかにあります? マジで、結構強いですよ。クロッカ様直属の戦闘団」


『あくまでも、自分の部隊ではなく、クロッカの部隊だと言い張り続ける……その忠誠心は認めてやってもいい。龍神族への忠義を確かに感じとった』


「当然じゃないっすか。ガリオ様。俺は、どこまでいっても、龍神族の犬ですワン!」


 むちゃくちゃ素直に『センの本音』を記述すると、

 センは、『自分の部隊』ということで運用して、自分の名前が売れるのが嫌なのである。

 あくまでも、目立つのはクロッカで、自分は、影の実力者……というポジションを絶対に死守したい。

 そうじゃないと、『面倒事』を『クロッカに全て丸投げ押し付け』できなくなるから。


 そういったところが本音なのだが、

 そんな心境が理解できるはずもないガリオは、

 センの『クロッカに対する忠誠心だけは本物だ』と誤解し、

 結果、


『いいだろう。永遠にというわけではないが……しばらくの間、クロッカの部隊を、カラルームの保安の主軸としよう』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
センの「食えない男」っぷりが最高でした!「龍神族の犬ですワン!」と言い切りながら、内心では面倒事を全部押し付ける算段をしているギャップに笑いが止まりません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ