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259話 たった一つじゃない冴えたやり方。


 259話 たった一つじゃない冴えたやり方。


「己が幸運に感謝するがいい」


 そう言いながら、首や手の関節を、ゴキゴキっと鳴らすセン。

 そんなセンの戦闘態勢を目の当りにして、

 ディックは、冷や汗を浮かべつつも、

 まだ威圧的に、


「お、俺に手を出したら、ヒークル様が黙っていないぞ! 俺はヒークル様が誇る精鋭部隊の隊員なんだ! この街で、ヒークル様の次に偉いんだぞ! そんな俺に万が一、ケガでもさせてみろ! お前だけの問題じゃない! Ⅾ地区の連中、全員が罰の対象となるんだ! わかっているのか!」


 と叫ぶディックに、

 センは、


「そいつは困った。俺は連帯責任が嫌いなんだ。俺自身が罰を受けることも、もちろん、好きじゃない」


「じゃ、じゃあ、わかるな! さっさと魔法を解除しろ! そして、誠心誠意、謝罪するんだ!! そ、そうすれば、今回だけは見逃してやる! 特別だぞ!」


 と、拙い虚勢を叫び続けるディックに、

 センは、


「お前に謝罪をする……確かに、それも一つの方法だ。けど、他にもいくつか方法がある」


 そう言いながら、

 右手に軽くオーラを込めて、


「たとえば、こんな方法」


 冷めた声で、そう言いながら、

 ディックの腹部に、ガツンと拳をぶち込んでいく。

 自分がやられたのとスタイルは同じだが、ダメージは全然違う。


 センの拳をもろに受けたディックの腹は、

 ズガバーン!!

 と、『飲み込んだ爆弾が腹の中で爆発したのか?』ってぐらいの勢いで破裂した。


「か……はっ……」


 白目をむいて口から血を吐いているディック。

 普通に死ぬ直前だが、

 センが、高位の治癒魔法をかけたので、


「ぶぇあっ!」


 ギリギリのところで息を吹き返す。

 全快したわけではなく、

 腹の傷がふさがっただけなので、

 意識は朦朧としているし、

 視界もぼやけている。


 センは、


「腹パンは俺の分。これは……ヤム○ャの分だ」


 などと言いながら、

 限定空間を生成する前に拾ってアイテムボックスにしまっておいた石を、

 ディックの足めがけて、だいぶ思いっきり投げつける。


 すると、またもや、爆散の勢いで、

 ディックの足が豪快に吹っ飛んだ。


 石が当たっただけとは思えない。

 超高火力の地雷で吹っ飛んだような状態になるディック。


 このまま死んでもおかしくないほどの衝撃と出血。

 だが、またもや、センが、『いい塩梅の回復魔法』をかけたので、


「ぶっふぉおっ!」


 死ぬことはなかった。


「う、うぃい……」


 意識は白濁としているが、

 痛みだけは、しっかりとビリビリと感じとることができるという地獄。


 何度も、急激に肉体を再生させたことによる、慣れない疲労感。

 気を抜けば、すぐに失神してしまいそうな体調。


 そんなディックに、センは、


「こうやって、苦痛を与え続けて、俺への強い恐怖心を埋め込み、最終的には『絶対服従の奴隷』にしてしまうという方法が一つ」


 やる気のない解説系ユーチューバーのような、淡々としたリズムで、

 さらに、続けて、


「ほかにも、まだまだあるぞ。このまま殺してしまって、ゴミと一緒に、お前の死体を高位の炎で完全な灰にしてしまう……というのが最も確実で安全な手だ。目撃者は誰もいない。『お前の失踪』という問題が残るが、証拠は何もないから、俺と結びつけることはできない。完全犯罪終了」


 そう言いながら、

 センは、


「煉獄雷炎ランク7」


 ディックの肉体を、高位の魔法で包み込む。


「ぎゃああああああああああああああ!!」


 狂気で壊れてしまったような悲鳴が、限定空間内を埋め尽くす。


 ディックが景気よく燃えている残虐シーンを、

 五人の子供たちは、ドン引きの顔で見ている。

 みな、一様に震えて、声もでない。

 たまに、小さく『ひぃ』と、魂の底から漏れ出たような悲鳴を口にしているが、『大きな声を出して、センに、自分達の存在を気づかせたくない』というホラー被害者的な想いが強いのか、どうにか、声を出さないよう、口元を押さえていたりする。



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― 新着の感想 ―
「己が幸運に感謝するがいい」からの容赦ない追い込み、 最高にシビれました!相手を生かしながら 絶望を与えるセンの徹底したスタイル、 まさに圧倒的強者ですね。
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