244話 対話だけの面接に意味はない。
244話 対話だけの面接に意味はない。
ツラツラと言葉をならべるセン。
ずっと、黙ってセンの言葉を聞いていたツカは、
どうやら、少しだけ整理がついたようで、
「あの……よくわからなくて……結局……その……あなたを殺せなければ……我々は死ぬ……という話は? どうなって……」
その件はどうなったのか、という問いかけに対し、
センは、
「死ぬだろ。いつかは、全員。骨も風化して、綺麗さっぱり消えてなくなる」
「……」
「俺を殺せなかったら死ぬ……とは言ったが、俺を殺せなければ殺すとは言ってねぇぞ。お前らは、俺を殺すというミッションを達成できなかった……が、達成できなかったからといって、別にペナルティも特にねぇ」
「……」
「お前だけに与えたルールに関しても、お前はキッチリ、俺の心に一撃を入れている。だから、全員、当然助かる。まあ、そうじゃなかったとしても、誰も殺しゃしないけどな。なんの意味もねぇから」
「……で、では……なぜ、あんなことを……」
「最初に言っただろうがよ。『命がかかった死に際でこそ、そいつの中に眠る本当の価値が輝くような気がしないでもない』って。俺は、『対話だけの面接に意味はない』と思っている男。平常時にはいくらでも自分をごまかすことができる。むき出しの器を知りたければ、とことん追い込むしかない。ってのが、俺の思想だ。それが間違っているかどうかはどうでもいい。俺はそう思っている。そして、俺は俺のワガママだけを大事にする。そんだけだ」
と、むちゃくちゃなことを言ってから、
ツカを離して、
「さて、それじゃあ、改めて結果を言うぞ。センエース戦闘団入団テストの一次試験は全員合格。二次試験は、現状だとツカだけ合格だが、後で、他の連中もきっちり査定させてもらった上で判断を下す。ちなみに、一次試験合格者は一般隊員だが、二次試験に合格すると幹部候補生になる。ツカ以外の面々はまだ二次試験が終わっていないから気を抜くな」
まだまだ状況が把握できず、ポカンとしている魔人たちに、
センは、続けて、
「幹部候補生を決める選別試験はまだ終わっていないが、全員、入団そのものは決定している。つまり、ここにいる全員、正式に、俺の配下というわけだ。これから、俺は……クロッカ様と一緒に、この世界の上級国民どもを皆殺しにしていく。そして、魔人が生きやすい世界に変えていく。お前らにとってメリットのある戦争だ。死ぬ気で頑張れ」
そこまで言ったところで、
ようやく、全体像が見えてきたらしいツカが、
「だ、だいたいのことは……分かった……けど……それって、つまり……魔人と人間で戦争をするってことで……負けたら、当然……皆殺しの目にあうんじゃ――」
と、当然の心配をしている彼女の前で、
センは、
「真・武装闘気3」
グンっと、力を膨らませていく。
フルスロットルにはしないが、
存在値200以上の力を、この場にいる全員に見せつけていく。
誰もが目を丸くした。
センエースの、あまりの大きさを前に、震えることすら出来なかった。
「……問題ない。俺は、この世界で一番強い。カスみたいな上級国民が束になってかかってきても、皆殺しにできる」
「……」
「俺なら、間違いなく、この世界を変えられる。だから、黙ってついてこい」
あまりにも大きなセンエースの輝きを前にして、
もう、誰も疑うことはなかった。
魔人たちは、みな、その場で、片膝をついて、
王への忠誠心を見せた。
まだ、完全に状況を理解しているわけではないが、
しかし、目の前にいる魔人が、自分達の一番上に立つものである、
ということだけは、魂が理解した。
「……」




