225話 死羅腑の剣翼。
225話 死羅腑の剣翼。
そう言いながら、
空間魔法を展開させ、何もない空間に、カイとパーリナンを、閉じ込める。
ちなみに、センの足元には、気絶しているヒークルもいる。
センは、自分の隣に立つセラフに、
「セラフ、お前の『翼』を試したい。ヒークル相手の茶番で疲れていると思うが、まだ、もうちょっとだけ頑張ってくれ」
「そこで寝ているカスを相手にする程度で疲れるようでは、尊きあなた様の剣など出来ません。いついかなる時、どのような状況であれ、あなた様の命令に絶対の忠誠で応えること。それだけが、私の存在意義」
「重いねぇ……正直、ダルいねぇ……こういうの、ほんと、嫌い……っ」
と、素直な感想を漏らしつつ、
センは、
「死羅腑の剣翼、展開」
命令を受けたセラフは、
一度、光の塊となった。
そして、ギニュゥウウっとフォルムを変形させていく。
ほんの数秒で、『剣の翼』状態となり、センの背中で、眩しく輝く。
イメージ的には、ストフリのスーパ〇ドラグーン。
剣の翼を纏ったセンは、
自身のステータスを確認しつつ、
「剣翼状態での運用だと、全体的にステは上がるけど……オーラや魔力の消耗がエグくなるな。……もっと、ゴリゴリに、最適化させていかないと、使いもんになんねぇ。これは、相当、育てるのに時間がかかりそうだ……大変だねぇ」
そんなセンの発言を受けて、
セラフが、
「申し訳ございません、セン様。私が不出来なばっかりに」
と、謝ってきたので、
センは、
「お前が不出来なんじゃない。俺が不出来だから問題だと言っている。あと、別に、問題と言っても、悪い問題じゃねぇ。おもしれぇゲームみたいなもんさ。あれこれ考えて攻略を進めていける方が豊かな時間を過ごせる。お前を完璧に使いこなせるようになるまで、かなり時間がかかるだろうが……それはそれで、面白い道のりだ」
「常に、私なんかを気遣ってくださる……本当に、なんて尊き方……」
「面白そうなゲームをやりこみます……って言っただけなんだが? 尊い要素ゼロだろうが、まったく……なんで、そんなに勘違いできるのかね。不思議だわぁ」
と、軽くため息をついてから、
センは、パーリナン&カイの方に視線を向けて、
「家族との対話に時間がかかってすまなかったな。まだ、この関係になれてねぇんだ」
と、ファントムを、一つまみ、たしなんでから、
「さて……それじゃあ、始めようか。お前らの人生の最後の灯。目一杯、煌めかせてみろよ。そうすりゃ、俺の記憶に残るぜ。残ったからなんだって話ではあるが」
そう吐き捨てると、
センは、飛翔して、
剣の翼を広範囲に展開させていく。
無数の剣が、ヒュンヒュンと、空間を駆け巡る。
パーリナンは、
「カイ! サポートしろ! 生き残る道はただ一つ! センエースを倒すことだ! 難易度が高いのは理解しているが……それ以外に方法はない! 死にたくなければ、死ぬ気で闘え!」
そんなパーリナンの命令に対し、
……カイは、一瞬だけ悩んでから、
グっとツバを飲んで、
「せ、センエース……様! どうか、私を配下にしてくれませんか! 私は、パーリナン様とは違い、龍神族や、十七眷属を恨んでおります! 私なら、あなたを裏切る可能性は限りなくゼロに近い! どうか、御一考いただけませんか!」
「カイ……き、貴様ぁ……っ」
ギリっと奥歯をかみしめるパーリナン。
イラっとしたものの、しかし、カイに文句を言う気にはなれなかった。
自分がカイの立場だったら、同じことをしただろうと思ったから。
カイの願いに対し、
センは、
「……悪いな、カイ太。このゲーム、三人用なんだ」
と、そんな、破格に中身のない言葉で、ぶった切る。
センは、問答無用で、パーリナンだけではなく、カイの方にも剣翼を差し向けた。




