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過疎ゲーが現実化して萎えてます。  作者: ペリ一
本編

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88/339

戦場の日常と掲示板の日常

「どうしよう」


「……なるべく人の良さそうな奴を見つけて案内して貰うか」


「うーん」


 掲示板魔法で報告をしたい……が、先ほどの優男がいつ瞬間移動してくるか分かったもんじゃねぇ


「おい、そこの新入り共」


「……なんでしょうか」


 やたら派手な色の軽鎧を纏った鼻のとんがった男がこちらに近付いてくる。


「ふぅむ。その水準の戦闘力ならば対応を変えるべきか。礼儀を知らぬわけでもなさそうであるし……おっと、余はアルノーである。敵陣の監視を担っている」


「志願兵のタカです。駆除区分二級を保持しています。本日からよろしくお願いしますアルノー殿」


 そう言い終えると同時に呆けた表情のままのモータルの脇腹をつねる。


「……っと、モータルです」


「失礼」


 モータルが続けて自己紹介をしようとしたのを手で制し、アルノーが手をメガホンのように構えた。


「皆の者!防衛陣、タイプ1である!魔法狙撃班は可能な限り奴らを撃墜すべし!」


 するとその指示を聞いた兵士が周囲の兵士に指示を伝え、またその兵士が……といった風に情報が一気に伝播していく。


「ふぅむ。奴らも懲りぬな。それは通じぬと言っておろうに」


「アルノー殿。今のはいったい」


「ん?ああ、視えたのだよ。ドラゴノイドの襲撃が。奴らは定期的にブレスを吐きに来ては撤退を繰り返している……まぁ足止めとしては効果的ではある」


 見えた?


 俺は慌てて上空を確認する。


 すると、確かに豆粒のような黒点が徐々に近付いてきているのが見える。


「……よく気付きましたね」


「無論、それが余の唯一の取り得であるからして、失敗は許されぬ」


 そう言うとアルノーは得意気な表情を浮かべ自らの鼻の頭を撫でた。


「アルノー殿、どなたかに砦の案内をして頂きたいのですが構いませんか?」


「ふむ?……そうだな、君達と同じ志願兵が一人いる。彼に任せるとしよう……おっと」


 ズン、と身体の芯を揺すられるような衝撃が身体をつき抜けた。


「これ大丈夫なんですか?」


「無論だとも。我が祖国の精鋭は、草原の中心での空襲ならまだしも、この程度の事で落ちる事は無い」


 見れば砦の半分以上が透明な膜で囲われており、それらが迫りくる炎を見事に防ぎきっていた。


「……なるほど。見事ですね」


「ふふっ、そうであろう?」


 仲間を褒められ機嫌が良くなったのか鼻の頭を撫でる速度が上昇するアルノー。


「……ふむ!気に入った!監視役は他に数人いる事であるし、余が直々に案内してやろうではないか!」


「本当ですか?ありがとうございます!」


 俺は心にも無い事を満面の笑みを浮かべ言った。










 砦も大方見終わった辺りで、アルノーの足が重厚な二枚扉の前でピタリと止まる。


「で、ここが最高指揮官の部屋である。くれぐれもこの部屋の前で騒いだりはせぬように」


 なるほど、ここが。


「……我々は一度、挨拶をしておいた方が良いのでは」


「うむ?それはそれは!余はてっきり挨拶は済ませたものかと!……レオノラ様!レオノラ様ーー!」


 騒いではいけないのでは?


「やかましいぞアルノー!」


「ぐべぁあ!?」


 重厚な二枚扉を凄まじい勢いで開けアルノーを吹き飛ばしつつ、廊下へと出てきたのは――先ほど、あの瞬間移動男と共に談笑していた女であった。


「ふむ。新兵か!」


「は、はい!……おいモータル」


「はい」


「……良い面構えだ。今後の活躍を期待する!では解散!」


 そう言うとくるりと踵を返して部屋の方へ戻っていった。





 ……え?終わり?


「勢いすげぇよなぁ。あの聖女サン」


「うわっ……えーと、ハゲ」


「影ですぅ!」


 タラちゃんかな?


「影ですぅ!」


「影殿。無理強いはあまり感心できないですな」


「いやでも、だってさぁ!?」


「だってじゃねぇぞ」


「なんでぇ!?アルノーには敬語だったじゃんかぁ!」


 そりゃ敬意払ってるもん。


「あっ、今失礼な事考えたよねぇ!?」


「考えてねーですぅ」


「絶対馬鹿にしてる!絶対馬鹿にしてる!」


 うるせぇ馬鹿。


「というか……アンタの立ち位置ってなんだよ」


「え?傭兵」


 傭兵……正規の兵ではないのか。


「タカ。そろそろ荷物置きにいこ」


「そうだな」


「あっれー?生い立ちとか聞いてくれないのー?」


 自称傭兵は、仕事があるのか早々にこの場から去っていったアルノーの背中をチラリと見た後、同じくこの場から去ろうとしている俺達に追いつき、そっと耳打ちした。


「ボクは、いやボクらの種族は人間によって支配されたんだ」


「……ッ!?」


「お?興味ある感じ?かな?」


 ……コイツ、どういう意図で……


 いや、なんにせよ、アレだな。


「……荷物整理して飯食った後な」


「あっ、はい」


 傭兵はしょんぼりとした表情で去っていく俺達を見送った。











「モータル」


「何?」


「俺はアイツと喋ってくるからその間に掲示板を」


「了解」










Mortal:戦場に到着、特級を二人確認


Mortal:うち一人は瞬間移動(?)を使う


Mortal:もう一人はレオノラ。女だった


ほっぴー:報告把握


砂漠の女王:レオノラ。救世の兵を産む聖女……


砂漠の女王:いいですね。レオノラを潰せば戦局はかなりこちらに傾くかと


ジーク:救世の兵とは


砂漠の女王:化け物です


ジーク:えぇ……


ほっぴー:産む……?


砂漠の女王:はい


ほっぴー:えぇ……


スペルマン:ちょっと興奮する


ほっぴー:しないで


紅羽:あ、おいスペルマン


スペルマン:ん?


紅羽:ちゃんと調べたぞ


紅羽:ダメだろ。名前伏字にしろや


スペルマン:伏字ぃ?


砂漠の女王:変えてさしあげましょうか?


スペルマン:うーん


スペルマン:伏字ってどうすんの


紅羽:そりゃ黒丸とか


ジーク:星でよくね


ジーク:ダイヤモンド☆ユカイみたいな


ガッテン:それは別に伏字ではないからな……?


スペルマン:スペルマ☆


紅羽:通報した


ほっぴー:笑うわ


鳩貴族:隠すどころかずる剥けですね……


ジーク:かしこま!みたいで好き


スペルマン:つーかこの名前が悪いんならアレじゃん


スペルマン:ウルトラマンコスモスもアウトじゃん


ガッテン:風評被害の広がり方がはんぱねぇ


スペルマン:アレだよ?ソシャゲとかでウルトラマンコラボがくるとするじゃん?


スペルマン:それで「いったいどんなラボなんだ……!?」とか言うやつ頭おかしいでしょ?


スペルマン:つまりおかしいのは俺の名前じゃなくて読む側なのよ


ジーク:弁明にタカみを感じる


ほっぴー:すっかり染まってしまったんやなって


スペルマン:その辺どーよ紅羽氏


紅羽:お前きめぇな


ジーク:罵倒の太刀筋が真っ直ぐなの好き


ガッテン:普通にセクハラなので反省してどうぞ


紅羽:まぁ改名やら伏字やらは今更すぎたか


紅羽:“そこは”ごめん


スペルマン:紅羽氏の言葉……しかと胸に響いたぜ……っ!


ガッテン:おい。なんか展開見た事あるんだが


スペルマン:すぺるま!


スペルマン:間違えた、かしこま!


ほっぴー:おい


紅羽:おい


ジーク:草


ガッテン:おい


砂漠の女王:えぇと、何と言うんでしたっけこの機能は


砂漠の女王:ああ、確かBANでしたわ


スペルマン:あっ、いや、すいません冗談ですもう屁理屈こねないんで許してください


Mortal:ねぇこの後どうすればいいかな


ほっぴー:あっ


ほっぴー:忘れてないぞ?うん。無駄話の間もしっかり考えてた。うん

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