第923話 魔導士エカ
「気が重いなあ・・・」
ユニティリアの門から続く鉄道の列車から降り、ショータは、星都ユニティリアに帰ってきた。
通達通りなら、先に「彼女」は到着しているはずだが・・・
「ん?」
ショータの背筋に悪寒が・・・
前方から、凄まじい神波動と土煙が・・・!
「ショータ様ーッ!」
その少女は、ミケランジェロ一族とエラル一族の子である・・・
つまり・・・
「ようやく、来られましたにゃ・・・」
がばっと抱き着く少女・・・
「誰だっけ?」
どこッ!
「うぐッ!」
少女の拳が、ショータの腹に食い込む。
「エカ・ミケランジェロ・・・
久しぶりだぜ・・・」
「こういうギャグは、オヤジギャグだけにしていただきたいにゃ!」
言うと、彼女は、顔を摺り寄せる・・・
エカ・ミケランジェロ・・・
彼女は、キティルハルムの民でも「最も猫に近い女」と呼ばれている・・・
その頃、領主館では・・・
「殿下・・・
あのショータさんも、これで落ち着くざます・・・」
ザマースがお茶を飲んだ。
「そうですかにゃ?」
懐疑的な、ニケ・・・
「むしろ、僕はあいつが心配なんだが・・・」
そう・・・
エカ・ミケランジェロ・・・
彼女は、ミケランジェロ一族では随一の魔導士・・・
そして、単純な肉体戦闘力では、ミリアム女王やユニィ王太子に及ばないとはいえ、混雑種が多い、トラルティールの白銀騎士300名を吹っ飛ばす戦闘力を有しているのだ・・・
ショータ:き・・・
きたーッ!




