第918話 こんなにいたって・・・
「この子ってば・・・
若い身空で、こんなにたくさん「側室」を・・・
本国では、エラル一族と「同列」に扱われるわよ・・・
ファルティア・・・」
私は、ファルティアをジト目でみた。
その間にもその視線を、本と画面、キーボードの間をせわしなく往復させている。
この子ったらもう・・・
「お・・・
おばあ様・・・
こ・・・
これは・・・
半分は「政治的な」理由でして・・・」
「じゃあ、あと半分は「アレ」な訳ね。」
そんな私たちに、エルナとリーナが声をかけた。
「「お久しゅうございます!
女王陛下!」」
「かしこまらなくていいわ。
いいでしょう・・・
惑星ミリアリアでの調査資料は、ライティアにそちらの最新のものを送らせましょう。」
「写本」が終わったので、帳面型個人端末を閉じて、記録装置を抜く。
「しかし・・・
お若いですね・・・」
ドワーフの「ワーキティス領」総督のナーシャが言う。
リシテアールにいない種族だが、これで「人間族年齢」で15くらいに換算されるそうだ。
現にそれだけ生きている。
「まだ、60いってないわよ。」
「「「えッ!?」」」
びっくりする、「側室たち」。
「長女で王太子を生んだのが、まだ若かったですからね・・・
ああ・・・
みなさん・・・
御国元から、「次期領主」を望まれる声もあるでしょうが・・・
後少し、お待ちに。」
困るんだよ。
「若すぎる」と・・・
「え・・・
私は、「それ」を考慮してお若いと・・・
てっきり、三十代かと・・・」
エルナが言った。
狼の耳が垂れている。
「おや・・・
私は、意外に若く見られていたようですね・・・
なんでかな?」
あんりゃ~?
そんなに私って、「若作り」か!?
ミリアム:・・・
ほほお・・・
「エラル一族」と同列に扱われたいですか・・・?




