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第881話 ニケ神像

「これは・・・

さすがにゃ・・・

ナキ閣下以上の作品にゃ・・・」


ニケは、マリアンヌの作品を絶賛する。


「おほめにいただき、恐悦至極にゃ。」


「さて・・・

代金だけど・・・」


ニケは、財布からお金を取り出そうとするが・・・


「いらないにゃ。」


「にゃ?」


「これは、ニケ様に「奉納」するために彫った作品にゃ。

「商売」の作品じゃないにゃ。」


この一件がもとで、マリアンヌの名声が広がる。


曰く・・・


「もう一人のナキ・ミケランジェロ」


曰く・・・


「まともなナキ・ミケランジェロ」


曰く・・・


「職人道を究めた者」


いずれも、彼女の名を高めるものだった。




リシテアールの、キティルハルム本国・・・


「にゃーッ!

「まともな」ってなんだにゃ!

あちしは、一体なんだにゃ!」


ナキは、新聞の一面を読んで激高していた。


「月光」の下で。


「あんた・・・

宮殿の・・・

しかも、「王室区画」で騒がないでくれる?

もう、私は寝るのよ・・・」


私は、ナキに苦情を言った。


そのときだった!


いきなり、アリシアが現れた!


「か・・・

母ちゃん!?」


怒りの神波動オーラを発散させるアリシアが、そこにいた。


「この変人彫刻家が!

やっと一人前になったと思ったら、また陛下に迷惑かけてるにゃ!」


がしゃッ!


アリシアは、ヒヒイロカネ製のフィスト・ガード(拳を保護する、ガントレットの簡易型武器)を右拳に装備した。


「目ぇ食いしばるにゃ!」


ごすッ!


「にゃーッ!」


更に凶悪化した「お仕置き」を食らって悶絶するナキの、首根っこをひっつかむアリシア。


「これじゃあ、楽隠居なんてできないにゃ!」


そのまま、アリシアは、ナキをひきずって帰っていく・・・


「さ・・・

さて・・・

寝るか・・・」


私は、寝室に向かった。

ニケ:見事な像にゃ!

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