第876話 惑星ミリアリアの銃士
がちゃッ!
ズババッ!
がちゃッ!
バスッ!
リリーヌの演舞が、領主館前広場で行われた。
「「「ほおおおお・・・」」」
流れるような動作に、イノセンスの聖騎士たちは驚嘆する。
「こ・・・
これが、実戦形式ですか・・・」
騎士の一人が言う。
「おこがましいですね。
「実戦」と言うなら、父と共に猫邪神の配下と戦った、我が姉・ウィズ・アルムの方が上でしょう。
「魔導士」ながら、「戦艦」内から敵に攻撃魔法を撃ってみせました。
私はまだ、軍役にいなかったので、参加できなかったのです。」
歯噛みをする、リリーヌ。
「しかし・・・」
「ええ。
戦いがないのが理想です。
三賢人も、そのために尽力しました。」
リリーヌは、空を見た。
「ならば・・・
私の使命は・・・」
制式銃から、刃を消し、騎士たちに向ける。
「あなた方を、「戦争を起こさせない」騎士に鍛え上げることです!」
「「「うげッ!」」」
聖騎士たちは、悲鳴をあげた。
「何を弱気な!
あなた方は、「神官にして騎士。騎士にして神官」でしょう!?
ゆえに、あなたがたの責は役職はともかくただの「騎士」である私などより重いのと違いますか!?」
「「「うッ!」」」
絶句する、イノセンスの聖騎士。
「うへえ・・・
しごかれてるにゃ・・・」
ため息をつく、ニケ。
「こりゃ、あちしも「神様」としていい加減なことはできないにゃ・・・」
「はは・・・
キティルハルム一級貴族は、お堅い人が多いですから。」
ライティアが言う。
「みんな、代を経るとああなるんですよ。
職業に関わらず・・・」
「・・・
他国の「貴族」に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいにゃ。」
ニケは、訓練を見ながら言った。
キティルハルム一級貴族と、「貴族」の違いは、額面通りの「貴族」ではなく、本能的に「努力家」であることです。




