第869話 大公、無理やり有休をとらされる
翌日、大公ライティアは、評議員を招集しようとした。
しかし、ショータ、シーナ、ザマースに止められた。
「これ以上、軍事化されたら・・・!」
ライティアは、激高していた。
傍目に見てわかるほど、髪が逆立ち、尻尾の立ち具合いも凄まじい。
「殿下・・・
これを提出するぜ。」
ショータが、差し出した書類・・・
「大公強制有給休暇申請書」と書かれてある。
しかも、ライティア以外の評議員のサインが署名されているではないか!
「・・・
ッ!
まさか・・・
この僕が、ニウ一世の時のごとく「指導者票」を棄却されるとは!」
うなだれるライティア。
「お休みください!」
ぴしりと言う、シーナ。
「「大公補佐官」に「意見具申」ざます!
一週間、神殿都市ライティアルで大公殿下を休養させるざます!」
ザマースが、メガネをくいっと押し上げて言う。
「は・・・
はい!」
「・・・と、いうことがあったそうよ。」
私は、執務室でジョルジュに言った。
「あちゃ~・・・
あの艦の話は、そこまで酷かったか・・・」
ジョルジュは、執務机の上に置いてあった、「可変型強襲揚陸ミリアリア」のプラモデルを手に取って変形させながらうなった。
「彼は、祖母である君に似て、「責任感過剰」でワーカホリックだからね・・・」
言いつつ、強襲形態にすると、再び置く。
「怪我の功名だね?」
ジョルジュの目が、きらりと光った。
「???」
「つまり、国連にたいする「武器」ができたってことさ。」




