第853話 自由の女神
執務中の、ライティアの下に、一人の少女がひょっこりと姿を現した。
「やあ、来たね!」
「お初にお目にかかるにゃ!
ニケ・ミケランジェロにゃ!」
評議員服を着た、ミケランジェロ一族のかわいらしい少女である。
「母ちゃんの子供の中で、あちしだけがどーいうわけか「神様」だったにゃ。」
自由奔放。
それでいて、「自分勝手」をしない性格である。
「にゃーははは!
あちし、この星に「赴任」して、離れられないにゃ!
「自由の女神」にゃ!」
不自由な気もするが・・・
ニケは、右手をさっと掲げる。
すると・・・
「イノセンス」の群れが空間に投影される・・・
「これはまた、暑苦しい「信者」さんたちにゃ・・・」
額に冷や汗・・・
「ま・・・
気楽にやるにゃ!」
ニケは、手に杖を出現させる。
「これなるは、自由の法杖にゃ!」
「まあ・・・
気楽にやればいいよ。」
「まあ・・・
母ちゃんは、苦労したにゃ・・・
とにかく、ちょくちょく勉強にくるにゃ!」
あいさつをして去る少女を見て、ライティアはつぶやいた。
「大人たちの中には、おばあ様や母様のような物分かりのいい人ばかりではないのだよな・・・
困ったことだ。
特に、「要らぬ苦労」を説く人もいる・・・
そのおかげで、かつて地球の日本ではだいぶ人が減ったという・・・」
ライティアは、執務机の上にあった「ミリアリア論文」という本を手に取る。
「さて・・・
僕は、この星をどこまで発展させられるか・・・」
新任の女神様登場!




