第840話 女王像
ナキは、いつになく真剣だった。
ここしばらく、「大物」の像を制作していた。
リケ神殿に飾られた「リケ神像」(ディスプレイ用という建前)、
パスキール・パレスに飾られた「ジョルジュ像」、
そして・・・
王立図書館に飾られる、「総合導師ミリアム女王像」である。
「これより、除幕されるの!」
お披露目の当日・・・
マイクを持ったユニィが、声をかける。
バサッ!
「「「お・・・
おお・・・ッ!」」」
国民は、一様に感動した。
そのミリアム像は、ローブの下に艦内服を着込み、悠久の図書館を構えた堂々たる姿だった。
「ナキ・・・
アホだアホだと思っていたけど・・・
やるもんだにゃ・・・」
アリシアが、泣いていた。
「か・・・
母ちゃん・・・」
「思えば、宮殿からお前の首根っこを掴んで、引きずって帰ること百回以上・・・」
まるで、「モノホンの猫の母親」だ。
「いくたの一族の名匠にも並んだにゃ!」
変な名匠が多いのは、気のせいか・・・
「まったく・・・
あなたのような評価を総称して、どう言うか知っていますか?」
ドスの効いた声で、アニス・ニナが尋ねる。
「にゃ?」
「「因果応報」です。
これでけの腕があるのにもったいない・・・」
ミリアムが、脇で頭を抱えていた。
ナキ・・・
評価が渋いです・・・




