第870話 開発計画
ユニィは、図面を広げた。
そこには、キティルハルム王都によく似た街並みが描かれていた。
山の上に築かれている城は、「領主館」。
その傍らに、「王立図書館・分館」がある。
貴族街に職人街・商店街・・・
港に宇宙港・・・
「後はこれに、軌道エレベーターユニィティリアの門を建設するの!」
星都ユニティリアの開発計画を、詰めていくユニィたち。
「これ・・・
僕にできるかな・・・」
ユニィの息子ライティアが、目を丸くしている。
「できるにゃ。」
ミラの子・・・
つまりは、ナキの孫リルが根拠なく言う。
「また、リルは・・・」
ため息をつくライティアの補佐官・シーナ。
ロシアンブルー系の、流れる毛並みの耳と尻尾を持つ彼女は、ライティアに「ついていける」唯一の存在だ。
「根拠なく言って・・・」
参ったな・・・
「優秀」であればそれでいいというわけでもない・・・
そこへ・・・
「モモちゃんいきま~す!」
モモが、飛び込んできた。
「あなた・・・
引退したんでしょ・・・」
私は、ジト目で彼女を見た。
「だからあ・・・
こんな企画を持ってきました!」
モモが差し出した企画書には、「サヨナラコンサート」と書かれていた。
結果、王位を継ぐのはユニィの「長女」となっております。




