第840話 ナキ、仕事納め2
さて・・・
ナキは、工房に籠る。
神棚を見る。
そして・・・
そこに飾られている家宝のミスリル製のノミ・・・
「これノミ」に、手を合わせる。
「これノミ」は、かつて初代ミケランジェロの代から使用されてきた道具で、「電動自動リューター《ドリル》」が開発・導入されてから使用されていないが、由緒ある「家宝」として奉られている。
「これから着手にゃ。」
図面を広げる。
「うッ!」
雪尾が、顔をしかめる。
「なんだにゃ?
怖気づいたかにゃ?」
図面の画・・・
「マッチョの男が、女性物の水着を着た大理石像」である。
「そういえばパパ・・・
こんな像ばっかつくるカッパさんとよくケンカしてたです。」
「でもやるにゃ。」
ナキは、ニタ~ッと笑う。
あたかも「化け猫」のように・・・
電動自動リューター《ドリル》を構えて、叫ぶ!
「燃えるにゃ!
高まるにゃ!
あちしの神波動よ!
奇跡を起こすにゃ!」
意味なく神波動を高めて、大理石の塊に向かう!
「にゃーははは!」
高笑いを上げて、大理石を切削していく!
時間をかけずに、形が出来上がっていく・・・
「き・・・
キモい・・・」
思わず、雪尾は口許を抑える・・・
「なかなかいいです・・・」
葉狐は、顎に手を当て凝視している・・・
やがて・・・
「水着の筋肉男」が、完成する・・・
「おおう・・・
いいです・・・」
葉狐は、「ダビデ像」を見るかのような表情をしている・・・
「か・・・
帰ったらあのカッパ・・・
シバキ倒す・・・!」
雪尾は、悶絶していた・・・
第一弾完成!
星宮空音さんの案をいただきました!
次は!?




