第837話 愛の守護天使
苺尽くしのスイーツが振舞われる王宮前広場から、すこし離れた場所・・・
ここに、私とアルナス、リケちゃんともう一人・・・
そこに、「天使」がいた。
「この世界は、お気に召したかにゃ?」
リケちゃんが、天使に尋ねた。
「はい!
みんな優しくて、親切で!」
その言葉を聞き、アルナスが表情を曇らせる。
「だが、ここまでにするのに、血のにじむような苦労があった。
高霊族と始祖エルフの戦争・・・
超魔王の誕生とエルフ文明の滅亡・・・
超魔王と連合軍の戦い・・・
国連軍・大魔王連合と悪の大魔王の戦争・・・
国連軍と猫邪神の戦争・・・
これらが示しているのは、人の世に誹謗中傷や疑いや諍いがあるということだ。」
しかし、天使は私たち三人を見る。
「でも・・・
私が永らく赴任している「地球」の歴史に比べると・・・
それに、ミリアム陛下は素晴らしい方です!
率先して、皆を「変えようと」している。」
私は、ふっと笑う。
「所詮、綺麗ごとです。」
「そんなことありません!」
「まあ・・・
それでも私は、「戦い」ます。
私は「綺麗ごとを言う女王」ですから。」
もう夜も更けてきた。
「天使フォウエル・・・
あなたは、それでも戦うのか?」
アルナスが尋ねた。
「はい!
私も、「綺麗ごとを言う天使」です!
皆さんの心を救うため、がんばります!」
「まあ、がんばるにゃ。
この星には、あちしがいるにゃ。
今は無理でも、いつかきっとみんな・・・」
そう・・・
だから・・・
「もしかすると、超魔王ガルアレート・・・
ハルカ博士は、身をもって教えてくれたのかもしれない・・・
その大切さを・・・」
私は、手にした「記憶装置」を握りしめた。
愛の守護天使、ゲスト出演です。




