第834話 聖剣士クリス
この時期、聖剣士クリスは忙しい。
「えっと・・・
陛下には、「ガンダール・ミリアリア」のプラモ・・・
ナキ閣下には、「ピンククリスタルのドクロ」・・・
なにコレ?」
なぜなら、様々な企業から「プレゼント」を集め、王都に集まる人に向けたそれの管理をリケから任されているからだ。
軍人や王族は、嗜好に一定のパターンがあるが、評議員の嗜好は読みづらい。
「珍しい人が滞在されているわね・・・
「稲荷雪尾」と「稲荷萌黄」・・・
ん?
今年は、金狐ミユさんにミレイ・ユーメリアって人もいる・・・
ミユさんは、お金持ちのお嬢様で・・・「鉄オタ」!?
意外ね・・・
ミレイさんは、ミスリルのロザリオがいいわね・・・」
主であるリケは、金に糸目はつけないので資金的に困らない。
だが、一部の「変な」嗜好には困り果ててしまう。
尻尾をくねらせつつ、個人用端末にデータを打ち込み、支払いの手続きを進める。
「まったく・・・
本当に意外だったのは、陛下のご友人が来られることね・・・」
リストには・・・
「トラルティール科学長官アルナス」
とか・・・
「トラルティール報道官滝川クリスタル四世」
などと書かれている。
「うーん・・・
陛下が「あの人」を招待されたのよねえ・・・」
作業の手を止めて、クリスは思いにふけった。
サンタさんです。




