第833話 スパコーンの意見
「ここが、パスキールですか・・・
僕から見ても、「超文明」ですね・・・」
雪尾君を、パスキール・パレスの中央電算室に案内したのだ。
そこに、一人の科学導師然としたエルフ女性がいた。
「女王陛下・・・
なんてヤツ連れて来とんねん!」
女性が怒鳴った。
「ごめんなさいスパコーン。
あなたの意見が聞きたくてね。」
彼女は、リシテアールの「超高性能電子演算機」スパコーンの立体映像である。
「ま。
なにも言わんと、無礼やな。
ウチはスパコーン。
惑星リシテアールの「超高性能電子演算機」や。
この姿は、立体映像。
あんたの世界でいうVRみたいなモンや。」
「地球・日本の稲荷雪尾です。
身分は・・・」
言おうとすると、スパコーンは右手で制する。
「稲荷神やろ?
それも小なりとも、街まるまる一つを支配する・・・
ウチは、それくらいわかるで。」
言うと、スパコーンは私を見た。
「期限は、年明けまでやな。
それ以上いると、「歴史」が変わってしまうで。」
「やはり・・・」
「この様子やと、司書神様に言われたようやな・・・
そこの神様が。
野暮は言いたくないんやけど、ウチの演算結果や。
絶対とは言わんけど、高確率や。」
言われて、雪尾君はぽりぽりと頭を掻いた。
「そうですよね・・・」
「気付いていると思うけど、この世界はあんたから見たら「未来」や。
必要以上のことをしたらあかんで。」
スパコーン:久々に出番や!




