第818話 再会・・・両親と娘と
「今年のクリスマスは、何がリケ様からいただけるですか?」
葉狐が、うきうきとしていた。
「えッ?
この世界では、「神様」からクリスマスプレゼントがいただけるんですの!?」
「う~ん・・・
元々は、この世界で守護神に就任されたリケ様が、お菓子をいただく日だったのが、「それだけじゃ悪いから。」と言って、始められたそうです。」
葉狐は、ミユやミレイと商店街を歩いていた。
「大人ももらえるです!
女王陛下は、ご自分の座上艦のプラモをいただいていました!」
「なんと!」
「葉狐様の父上と趣味が合いそうですねえ・・・」
「私は、超合金製の棘付き鉄球をいただいたです!」
ゴツい幼女だ。
その時だった。
「ひゃんッ!」
葉狐は、尻尾の一本を掴まれた。
「僕は、前に来た時、経験していないのでな。
くわしく教えてはくれまいか?」
後ろを振り向くと、そこにいたのは・・・
「げッ!パパ!」
葉狐は、顔面蒼白になっていた。
「実の父親に向けて、「げッ!」とはなんだ?
久しぶりに会ったんだ。
これまでのこと・・・
教えてもらおうか?」
そこにいたのは、稲荷雪尾。
葉狐の父だった。
「ぶはははは!
さすが、僕の娘だ!
予想を斜め上を行く行動をしている・・・!」
キティルハルム・ロイヤルホテルの葉狐たちの下宿する一室・・・
ここで、雪尾と萌黄は爆笑していた。
「時に・・・
雪尾様は、子供の頃どうされていたので?」
ミレイが尋ねた。
「ん?
「ウンコフィギュア」を量産して悪ガキ仲間にくばったり、
「春の小川」を歌いながら、みんなで小川に「酒」をぶちまけたり・・・
あの頃は、楽しかった・・・」
遠い目をする雪尾・・・
「そのたびに、お社様に怒られてましたよね。」
萌黄が、くすっと笑う。
「まさに、「蛙の子は蛙」とは葉狐様と雪尾様のためにある言葉ですね・・・」
ミユが冷や汗をかいた。
親と子は、似るのです・・・




