第816話 終戦宣言
戦いが終わり・・・
私たちの機体は、元の姿に戻った。
問題は、これからだ。
私は、国連議会会場となっているピースメイカーの指令室の提督席にいた。
「この度の、猫邪神ノワールとの戦いで、我々はかけがえのない人々を喪いました。
中でも、「悪の大魔王」となってしまったかつての同胞と戦い、相手を道連れした人もいました。
それの根源は・・・
良くも悪くも、人の「愛」なのです・・・
猫邪神は私に言いました。
「それは所詮綺麗ごと。」なのだと。
いいのでしょうか?
全ての人が、「愛」から目を背けて・・・
いいのでしょうか?
全ての人が、「現実」から目を背けて・・・
ゆえに私は、誰がなんと言おうと「綺麗ごとを言う女王」でい続けます。
皆の努力の先陣となります!
これを以て、「猫邪神戦争」の終戦宣言と致します!」
全世界の記者団のカメラが、シャッターを切る音が響く・・・
その夜だった・・・
私の泊まるパスキール・キティルハルム特区に、見覚えのある神が現れたのは・・・
「お久しぶりです・・・
司書神カイロス・・・」
「やあ。
ミリアム君。
君に兄から通達があった。」
カイロスが言う。
「稲荷神の三人を元の世界に返せとさ。
いや・・・
せっかく楽しんでる彼女たちにも悪いが、そろそろ親御さんたちも心配する頃なんでね。」
きたか・・・
仕方あるまい・・・
彼女たちは、「この世界」の者ではないのだ。
「ま、「向こうの世界」から使いがくるのでね・・・
楽しみにしているといい。」
意味深な笑いを残して、司書神は去った。
誰だ?
「使い」って・・・
とうとう、彼女たちとの別れが近づいてまいりました・・・




