第798話 姫、歌う!
ユニィは、口許を引き締めた。
「アルムス!
このままじゃ、勝てないの!」
「はッ!」
アルムスは、ナキに指示を送る。
「ナキさん!
海天使システム起動です!」
「了解にゃ!」
ユニィは、歌い出す・・・
人はなぜ愛を捨てるの
人はなぜ無理に愛するの
矛盾を秘めた心だから
なぜ相手を決めてかかるの
なぜ相手を知ろうとしないの
私はそれが哀しい
哀しみは海の中
とても暗くて
希望は見えてこない
それが真実
喜びは光の下
とても明るくて
強要することは
きっと愛じゃない
響き渡る歌・・・
いつしか、葉狐たちも口ずさんでいる・・・
「全軍の光流神波動、暗黒神波動、混沌神波動ともに上昇にゃ!」
「こ・・・
これが・・・
キティルハルム王太子ユニティアの歌・・・」
ノワールは、愕然とする・・・
なぜなら、リシテアール全軍から歌声が響いてくるのだ!
そして・・・
宇宙の海に漕ぎ出すの
愛しい人を連れ
目指したその先には
きっと愛がある
私は空を征く旅人
多くの友を連れ
なぜ、哀しみが宇宙にある?
なぜ、憎しみが宇宙にある?
さあ征こう星の海へ
見えない希望を求めて
さあ征こう星の海へ
見えない愛を求めて
例え今見えなくとも
それはそこにある
この時、全艦隊から全砲門が、ノワールに照準をつけた!
ユニィ:タイトルは「航宙王女」なの!




