第784話 女王の矜持
「はあああああああああああああああッ!」
私の気合いに応えて、悠久の図書館は、剣に変わる。
中段に構えて斬りかかる!
「ノワールスラッシュ!」
「!!!」
私の一撃が、ノワールに当たった!
「ふ・・・
ふはははは!
浅ましい!
前を向いて生きていこうとする心か・・・
浅ましいものです・・・
愛を信じようとする心も・・・」
「黙れ!
それこそが・・・」
ジョルジュが言いかけるのを、アルナスが遮る。
「そうですね・・・」
私は、構えを解かない。
「それが、人を誤らせる・・・
道を踏み外させる・・・
だから私は、その力を皆に「正しく」使ってほしい。
それが詭弁だと言うのなら・・・
私は、詭弁を言い続けます。
綺麗ごとだと言うのなら・・・
綺麗ごとを言い続けます。
それが、誰一人言えなくなったら・・・
人は、哀しすぎます・・・
「ご都合を言い続ける女王」ですか・・・
むしろ誉め言葉です!」
「フッ・・・
よくぞ言われた!」
アルナスが、私の右に立つ。
「こうも世に理不尽が多いと、ぶっ壊したくなるのでね!
むしろ、笑い飛ばしてやろうとして何が悪い?」
「やれやれ・・・」
ジョルジュが、左に立つ。
「この二人に関わって僕も毒されたねえ・・・
僕は、ご主人様に代わって護っていくつもりだよ・・・
この世界を・・・」
しかし・・・
「現実を見て、なお言いますか・・・」
ノワールの身体が、膨れ上がった!
何が起ころうとしている!?
一体、何が起ころうと!?




