第764話 「正しさ」で、人を傷つけてよいものか?
「それは、貴様のいうように、その女がバカだっただけ。
自業自得だ。
くくく・・・」
ダイアレートは、黒い光弾を放つ。
「違う!」
ウォルストは、それを剣で叩き斬って言い返す。
「正しいからと言って、それがよいかとは限らん!
そうでなければ、エミアはそのような余生は送らずに、輝かしい将来を過ごしたはずなのだ!
そうでなければ、ファルストの子孫・・・
私の子と称される「ファルスト一族」も、あのような苦行を続けることはなかったのだ!」
ウォルストは、中段に構える。
「文字通り、「一度死んだ」身だ!
我が過ちを、後世の者どもに伝え、啓蒙する義務が私にはあるのだ!
ミリアム女王とて、かつて前世で傷ついた経験があるから、「最初から」そうならないよう努力している。
報われない部分も多いが、この世界の連中が愚かで、「ついてこれない」だけなのだ。
「私」の分際で、それを否定することは断じて認めん!」
「ゆずれない願いというヤツか・・・」
「そういうことだ!」
ウォルストの神波動が、高まる。
「今ならできる!
デストロイトバースト!」
「・・・ッ!
魔王十字剣!」
ウォルストの無数の剣劇が、ダイアレートを細切れにした。
「つまらぬものを斬ってしまった・・・」
ウォルストは、剣を収めた。
反省する人たちなのです・・・
「善なる大魔王」たちは。




