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第754話 「現実」に抗う者たち
「東宮であるそなたは、直面しているであろう。
誰もが、酷い現実に目を背け始めている。
己の道が見えぬと絶望し、友や恋人に介錯を依頼する者・・・
働かされすぎて、力尽き倒れる者・・・
逢瀬に問題はないのに、周囲の目を気にしすぎて産まれた子を殺してしまう未成年・・・
これでは、その話を聞いただけで恋愛をする気も起きぬわ!」
ニニギは、ハッとした。
これより更に酷かったのが、ミリアムから聞いた「地球」の現状だった。
だから・・・
「だから、変えねばならぬ!
私も・・・
敢えて・・・
「綺麗ごとを言う皇帝」になってやる!
我が盟友・・・
キティルハルムのミリアム陛下が、そう影口を叩かれ、むしろ喜んでおられるように!」
ニニギは、剣を構える。
「ここで我ら「王族・皇族」が綺麗ごとを言わずしてどうする!
民が変える努力をするのも必要だが・・・
なにより・・・
王が・・・
皇帝がやらずして、何が変わる!?
「現実」が厳しいだと!?
ならば・・・
甘ったるいものに変えてくれるわ!」
柄にもなく、言ってみました。




