第728話　要塞内の空間

ズズウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ・・・ン

あらゆる方角から、各国艦隊が侵入する。

「ここは・・・？」

私は、息を呑んだ。

雲が浮かんでいる・・・

「大気組成・・・

リシテアールそっくりにゃ・・・」

ナキが驚いている。

「全艦・・・

中心核に砲撃！」

「中心核」は、パスキールパレスそのもの・・・！

ズズ・・・ン・・・

全艦隊の砲撃に対し、中心核から反撃！

「くっ！

外壁装甲の内側に、ショックアブソーバーを展開!」

「はいにゃ！」

凄まじいカウンターだ！

「にゃ・・・

一発食らったにゃ！

死者は、出なかったけど、負傷者多数！」

「医療チームを向かわせて！」

「了解にゃ！」

「大丈夫かな・・・？」

なんか、医療総監ドリス・ミアのところに癖のある新人が入ったって聞いたけど・・・

医務室・・・

「さあ・・・

おとなしくしていただこう・・・」

「ぎにゃーッ！

この看護兵、怖いにゃーッ！」

先ほどの砲撃で右腕を骨折した女性兵が、「運悪く」捕まった。

「くくく・・・」

キティルハルムには珍しい、エルフの正規軍人だ。

名はサザ・ゲール。

「あ・・・怪しいにゃ・・・

この男の神波動《オーラ》は！」

この男の特殊能力・・・

それは・・・

「う・・・

動けないにゃ・・・」

必ず、人を「拘束」すること・・・

そして・・・

「な・・・

治ったにゃ・・・」

拘束した対象を、「必ず」治癒するという変態的な能力の持ち主だった！