第706話 ファクベリオン攻防2
「な・・・
なんだこれは・・・!?
いくらこのファクベリオンが、悪のパスキールパレスの外部メンテナンスに必要な重要な艦とはいえ、キティルハルム艦隊の八割強の艦が、集中攻撃をかけてきているぞ!」
アル・ファシルは、動揺していた。
「アル・ファシル様!」
オペレーターが、声をかけた。
「どうした!」
「駆逐艦クラスの可変艦が、特攻してきます!」
アル・ファシルには、嫌な予感が脳裏によぎった。
「ま・・・
まさか・・・!」
そのまさかだ。
「可変工兵駆逐艦・バルカン・・・
突入にゃーッ!」
ファナの怒号と共に、「バルカン」は、ファクベリオンの横っ腹に右タラップを突き立てた!
「て・・・
敵は・・・
「キティルハルム工兵隊」です!」
「艦内防衛にあたれ!」
「はッ!」
アル・ファシルは、ガタガタと震えていた。
「あ・・・
あの女は・・・
私が目をつけていたんだ・・・!
邪魔者を殺し・・・
精神的に追い詰め・・・
やっとのことでという矢先に・・・!」
だが・・・
「あの先代会長が、「切腹」なんぞしなければ・・・
いや・・・
その前に・・・」
そのころ・・・
「遠慮はいらん!
奴らは、前会長の・・・
我らの同僚の仇だ!」
社長秘書と工兵隊の副長を兼任する、ケイン・ドラが声をあげた。
ちなみに彼は、トラ猫系である。
「社長を前に!」
「「「社長を前に!!!」」」
ケインの激に、部下たちでもある工兵たちが答える。
彼らは皆、ファナについてきたのだ。
「お前たち・・・」
ファナの目に涙が・・・
「いくにゃ!」
涙をぬぐうと、ファナは走り出す!
「あの野郎は、あちしが絶対倒すにゃ!」
ケインは、敵兵を神波動溶接機の炎で焼き、後方の工兵を指揮して敵の足止めに入った。




