第694話　魔女と魔女

「くッ！」

聖なる魔女(エレノラ)は、操縦桿をひき、ペダルを踏む。

ゴオオオオオオオオッ！

要塞空母艦エレノラは、垂直上昇し、追いすがる敵艦隊をひきはなす。

同時に、砲撃と魔装騎士《ルーンナイト》隊の迎撃が相手を撃墜していく！

やがて・・・

「そこです！」

全砲門が、ある一点を撃ちぬいた。

「よくわかりましたね・・・」

そこに、ほぼ同型の要塞空母艦が・・・

「悪の魔女(エレノラ)！」

ゴゴオオオオオオオオン！

「わーッ！」

「にゃーッ！」

事もあろうに、要塞空母艦エレノラは要塞空母艦エルシオラと「殴り合い」を始めた。

そして・・・

互いに距離を置く・・・

「頃合いか・・・」

聖なる魔女(エレノラ)は、意味深につぶやく・・・

やがて、二人の「エレノラ」は同時に・・・

「「少なくとも、私たちには「終わらせる」時がきた・・・」」

聖なる魔女(エレノラ)は、操縦席のコントロールで、後方に最も近いキティルハルムの「ピースフルリケ」に通信を開く。

「にゃ？

一体、どうされたにゃ？」

モニターの向こうではリケが怪訝そうな表情で見ていた・・・