第639話　進化した人

「新人類《ネオ・サピエンス》か・・・

では、どのようにリシテアールに人が根付いたか気になるね。」

ジョルジュが言った。

「ええ。

そもそも、ホープメイカーのかつてのクルーたちがリシテアール人の先祖らしいから。」

そこは、私も気になっていた。

「失われたつなぎ目だね・・・」

「「失われた鎖(ミッシングリンク)」・・・」

私とアルナスは、異口同音に言った。

「なんだいそれ。」

「これは、私が知るかつての地球の生物学用語で、今いる生物とその先祖の間にいかなる生物がいたか・・・

例えば・・・

高霊族《アールヴ》とエルフの間に、始祖エルフがいたようにな。」

アルナスが説明する。

「そこは、調査次第ということか・・・」

そのときだった。

ジョルジュの通信板《メディアボード》から、着信音が流れてきたのは。

「誰だ？」

すかさず通話を始める。

「えッ？

ヒストリア？

パスキールパレスの中央書庫にそれらしい記録があった！？」