第628話 竹槍
攻め手がない。
ファクトリアは、悩んでいた。
高位の魔法や技は使えるが、自分は「研究家」。
女王ミリアムのような「武人」でもなければ、ナキのような「過激派!?」でもない。
『あちゃ〜
召喚できる武器のストックに、「火炎瓶」がないにゃ・・・』
すごいことを考えている。
ナキの場合は、粉末合成爆薬を複数隠し持っている上、家の倉庫に「召喚用」をどっさり持っていると聞く。
爆弾魔か!?
「どうしたい?
子猫ちゃん。」
すごく、ウザい!
ファクトリアに限らず、ミケランジェロ一族女性の共通点は・・・
「イケメンは、カタブツか三枚目に限る。ただし、キザ男は排除すべし。」である。
つまり、このようなイケメンは「嫌い」なのである。
そのときだった。
「たーいむりーッ!」
キティルハルム王都の方角から、誰かが飛行魔法ですっ飛んできた。
「このブタは・・・
私が「屠殺」します!
この・・・ユアン二世が!」
「・・・
ハンダのプロの「パンダさん」にゃ・・・」
その「パンダさん」は、金属の筒を出す。
シャラララッ!
長さ、二メートル程に伸びる。
「その武器・・・
「竹槍」にゃ?」
そう見える。
「はい。」
ただし・・・
「金属?」
「オリハルコン製です。」
ユアンは、「竹槍」をくるりと回す。
「私は、パンダ。
パンダのお仕事・・・
曲芸・・・
ハンダづけ・・・」
そして、キッと目を見開く。
「格闘!」




