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第612話 稲荷の三人
ミレイは、十字架を右手に握り、振り下ろした。
次の瞬間、十字架は狐が十字架を抱きしめたオブジェを先端につけた杖となっていた。
「これなるは、稲荷のロザリオです・・・」
ミレイは、祈りの言葉を唱える。
「大いなる神の使途・炎の熾天使ミカエルよ・・・
我の言葉に耳を傾けん・・・!
炎熾天使稲荷の炎の渦!」
翼をつけた炎の狐が、ツクヨミを覆いつくした。
「狐のアイロン!」
ミユが放った無数の鋼鉄の「アイロン」が、ツクヨミを襲った。
「いくです!」
葉狐が、呪文を唱える。
「光輝大燃焼!」
「やった・・・?」
ミユがつぶやく。
「く・・・
くくく・・・
子供だと思って油断した。
しかしな・・・」
ツクヨミは、右腕を軽く払った。
葉狐たちの放った炎が、即座に消滅した。
「・・・ッ!
ナキさん直伝・・・
ホワイトキック!」
葉狐は、回し蹴りを放った。
ピキッ・・・
ツクヨミは、左腕で受ける。
「しらけるではないか・・・!
所詮、子供のダジャレか・・・!」




