616/3270
第611話 狐の大魔王
「ほほう・・・
ここが、キティルハルムか・・・」
稲荷族の男が、キティルハルムを見下ろせる丘の上にいた。
「しかしだ・・・
少し、無粋と思わんかね?」
男は前を向いたままで、背後にいる人物に声をかけた。
「全く・・・
邪馬台国の東宮殿下が知ったら、なんて言うか・・・」
「ですわね・・・」
「気をつけてください。
この人は、「稲荷族」であって、「稲荷族」ではありません!
なんというか・・・
禍々しい「神力」を感じます。」
そこにいたのは、葉狐、ミユ、ミレイの三人だった。
「なんか・・・
妖狐みたいです・・・」
葉狐は、召喚魔法を発動させる・・・
「な・・・ッ!
葉狐様・・・
それって・・・!」
葉狐が召喚したモノ・・・
「コーン棒です・・・」
食品見本と思ってしまう出来の「焼きトウモロコシ」状の物体を挿した棒だった。
「ぷっくくく・・・
これだから、葉狐様は楽しいんですの。」
ミレイが、ふところから十字架を取り出し、掲げる。
「神の御名において、成敗します!
稲荷族の祖・・・
人狐ツクヨミ!」
「異世界の「狐の神族」か・・・」




