第578話 猫邪神は・・・
猫邪神ノワールは、別のパスキールパレスの自身の風呂場で、シャワーを浴びていた。
「・・・手強いですね・・・
特に、「三賢人」は・・・」
その黒い耳で、水滴を跳ね飛ばし、呟く。
「鼠の大魔王ジョルジュ・・・
元、ハルカ博士の参謀・・・
トラルティール科学長官アルナス・ライテス・・・
キティルハルム女王ミリアリア・キティルハルム・・・」
ジョルジュには、あらゆる毒が効かない。
自身では、「放射能持ってこい!」とすら言ってのける。
アルナスは、総合導師であるため、科学導師然とした姿に関わらず、あらゆる刺客を撥ね退ける。
ミリアムは、総合導師である以上に、強力な魔導士で科学導師でもある。
「一番恐るべきは、「総合導師女王ミリアム」・・・!
各国の王、将のなかでも最強の武勲を誇っている・・・」
そればかりではない。
自らが立ち上げた学問「職場心理学」をもってして、国民を啓蒙している。
「そればかりか、大魔王テミスを始めとした「新世代の大魔王・魔王」もやっかいね・・・」
シャワーの蛇口を閉め、尻尾で水滴を跳ね上げ、服を着る。
「早々に、量産魔王を強化するか・・・」
猫邪神は、苦々しく呟いた。




