第575話 哨戒
私とウォルストは、第六惑星周辺の哨戒をしていた。
私の座乗艦は、ミリアリア級一番艦ミリアリア。
ウォルストの座乗艦は、「ダイアレート級強襲揚陸艦・ウォルスト」である。
「まさか、一国の女王と共同任務とはな。
よろしく頼む。」
「こちらこそ。」
私たちは、モニター越しに会話する。
気になるのは、大魔王たちの報告。
時折、第六惑星を襲撃する艦隊の神波動値がやたら高いとのこと。
「どういうことかしら・・・」
「もしかすると、魔王クラスの指揮官を「量産」しているのかもしれん。」
う・・・うーん・・・
「「不死の法」を応用した「複製技術」!?」
「ないとは言えん。
事実、大戦時ジョルジュの奴は今の「人鼠」を兵士として増産するため、技術を使っている。
超魔王たる「猫邪神」がやらんとも限らん。」
「そうね。
「原点」といえる技術だからね。」
「それでも、ジョルジュさんは「子供」として作っていたみたいなの。」
提督席に座るユニィが言う。
「フン!
哲学も美学もなく、ただ凝り固まった思想だけで「破壊」するだけの奴にそんなことを求めるのが、間違いというものだ。」
ウォルストは、吐き捨てるように言う。
「敵艦隊です!」
イリアが報告する。
「さあ・・・
この艦の実力・・・
見せてあげるわ!」




