第570話 メタリック・コブラ1
「大変です!」
バルコニーで、お茶を飲んでいた私のところに、ダルタニアンが駆け込んできた。
「どうしたの?」
「蛇園のエンペラーコブラが、三匹逃げました!」
ぶべっ!
「汚いですよ。」
イリアが、お茶を吹き出した私をたしなめる。
「状況は!?」
「すでに、二匹捕えてあります。」
まだ、一匹残ってるんだよな・・・
稲荷神の幼女は、「それ」を見た。
まるっきり怖がっていない。
まるで、オモチャを見つけた動物のごとく!
「それ」・・・
エンペラーコブラは、彼女をにらむ。
幼女は、右人差し指を突きつけ、くるくると回す。
そして、両手をぱちんと鳴らす。
「!!!」
エンペラーコブラは、「金縛り」にされた。
「くふふ・・・
やってみたかったです・・・」
「金縛りの術」をかけたまま、幼女はナップザックを下ろし、ジッパーを開ける。
中から、銀色のスプレー缶や、「グンテ産業クリアコート」を書かれたスプレー缶、サンドペーパーなどを取り出す。
そして、コブラに向かって「シルバーの塗装缶」を構える。
「さあ・・・
メタリックに塗ってあげるですよ~・・・」
にっこりと笑う・・・
「!!!」
エンペラーコブラは、自らの危機を悟った!
このままだと、この幼女に塗られる!




