第555話 正月映画
街に、巨人が現れた!
黄金色の筋肉をまとった巨人・・・!
立ち向かうは、三人の男と女性。
それぞれ、神波動ランチャーを担いでいる。
「なんで、「何に滅ぼされたい?」って聞かれて馬鹿正直に考えるんだ!?」
リーダーが怒鳴る。
「だって・・・
反射的に・・・
一番怖いものを想像しちゃったにゃ!」
女性が言い訳する。
「正月映画と言えば、「筋肉バスターズ」にゃ!」
ナキがドヤ顔で言う。
「趣味悪ッ!」
私は、ナキに突っ込んだ。
居間のテレビは、ナキが持参したDVDを再生している・・・
「大体、「筋肉」と「金肉」だなんて・・・
日本語わかる奴じゃなければ、このネタわかんないなよ!」
「キモいです・・・
とり憑いた相手を「マッチョにする」悪霊を退治するアクション映画なんて・・・」
葉孤ちゃんが突っ込む。
「だからいいにゃ。」
「なら、「夜寝姫」がいいです。」
「いや、「ルミナリア物語」ね。」
「え~?
あの勇者にしては陰湿な女の伝記映画がいいにゃ?」
ナキが、私の意見にケチをつける。
「あのダークなところがいいのよ・・・
「絶食症」だった勇者の少女が、愛に目覚めていく様が・・・」
「ま、ウチの両親みたいにベタベタなのは、考え物です・・・」
映画談義は、しばらく続いた・・・




