第550話 友好
「神波動動力炉臨界!」
「キティルハルム旗艦・ミリアリア発進!」
私の声と共に、キティルハルムで最初に建造された可変型強襲揚陸艦ミリアリアが、キティルハルムの門から離床する。
「わーッ!
すごいです!
軌道エレベーターに太陽光発電衛星・・・
パパへの土産話にもってこいです!」
葉狐ちゃんがはしゃいでいる。
好奇心旺盛な年頃だ。
「このお船・・・
変形するですか?」
「ええ。」
「えっと・・・
誰かを、年越しのイベントに参加させるために連れて来るって話ですけど。」
「鼠の大魔王ジョルジュ、助手の魔王ニコ。
それに発酵の魔王バッカスを初めとする大魔王や魔王たちよ。」
「魔王・・・」
葉狐ちゃんは、目を丸くした。
「悪い人たちですか?」
「いいえ。
かつてはそうだったけど、今は改心して、リシテアールのみんなと交流しているわ。
特に、ジョルジュは私とトラルティールの総合導師アルナスと並ぶ「三賢人」として最高位の科学者とされている・・・」
「うらやましいです・・・」
うらやましい?
「私の世界の悪魔や邪神には、そんな人いません・・・
邪神には、話のわかる人もいますけど・・・」
「けどね・・・
今、私たちはもっと強大な敵と戦っているの。
人の愛や暖かみが嫌いだって人たちとね・・・」
やがて、「ミリアリア」のモニターに第六惑星が映し出される。
「デ・・・デス○ター?」
「みたいなものよ。」
「母さま!
大魔王ウォルスト様が、ゲートを開いてくださったの!
入港するの!」
ユニィが報告する。
「進路そのまま。
ゲートへ!」
「了解なの!」




