第545話 キティルハルムのクリスマス1
キティルハルムでは、十二月下旬にクリスマスが祝われる。
それは、キティルハルムの民が輩出した女神・リケの誕生日だったりするから。
その偶然に、地球のとある神の生誕日とされる行事に、その文化を知る人物が二人。
それは、キティルハルム女王ミリアム。
トラルティール科学長官アルナス。
共に、地球の転生者だ。
「おお・・・
見事なクリスタルのツリーにゃ・・・」
リケは、巨大なツリーを見上げてにっこりと笑った。
ツリーにはそれを彩る、色とりどりの小型豆電球が・・・
「確か、あれは小型電球・・・」
地球でいうところの、LEDというやつだ。
開発したのは、ユニィだという。
「にゃ~・・・」
クリスタルの樹の根元で、寝オチしていたらしいナキは、目を醒ました。
そして、自分の姿を見ておどろく・・・
「これ・・・」
その顔を覗き込んでいたのは、マイカだった。
「似合うわよ~。
陛下にもらったデザイン画からつくった「サンタ服」!」
「にゃーッ!」
確か、彼女はツナギで作業していたはず・・・
「いつ、あちしの服換えたにゃーッ!」
すでに祝いの屋台が並び、葉狐が七面鳥の丸焼きにかぶりついている。
「しかし・・・
コレ・・・
ホントに顔が七つあるですか!?」
なんて言っている。
「ま、いつでもキティルハルムの民は「お祭り」といったらこうなるにゃ。」
リケは、にこにことしていた。




