第525話 絶対食べられないもの・・・
創作料理アリア・・・
ここで、ナキは愚痴をこぼしていた。
「古代チョウザメのキャビア・・・
食べたかったにゃ・・・」
「無理にゃ。
こんな生態系に干渉するような「秘法」の使い方で、ジョルジュ様を困らせるんじゃないにゃ。」
アリアは、スープのカップをテーブルに置く。
「おお!
これは、古代鮫のカマボコ!
それと、山クラゲ!」
「にゃ。
当店自慢の「トビウオの厳選アゴ出汁」スープの蛸酢風味・・・
醤油ベースにゃ。」
さっそく口に含むナキ。
「うまいにゃ!
ほどよい醤油味と出汁のうまみ・・・
さすが、アリア・ミケランジェロにゃ!」
すっかり機嫌が直っている。
「アリシア閣下のおっしゃったとおりにゃ。
ナキさんは、味か腹の膨れ具合のどちらかで機嫌を直すって・・・」
単純な女である。
「最近は、蛸酢の材料も「マダコ」か「言いダコ」にゃ。
それがベストにゃ。」
言いダコ・・・
生きたまま調理しようとすると、片言で「絶叫」するのでそう呼ばれる。
また、古代鮫は、捕鯨やマグロ漁の「妨害」をするそれを捕獲するため、市場に出回りにくい。
ゆえに、古代鮫のカマボコは、高級品である。
「うん。
おなかいっぱいにゃ!
お代置くにゃ!」
お代を払って、ナキは帰る・・・
「まったく・・・
あちしの店はいつ、集会所兼相談所になったのかにゃ・・・」
一人、アリアはため息をついた。




