第518話 ミリアリア・イスレ・キティルハルム
キティルハルム王宮・謁見の間・・・
ここは、儀式や集団の国賓をもてなす時にしか使われぬ、特殊な部屋である。
なにせ、歴代の女王や王は、一人や少人数の客は、客間で対応することを好んでいる。
「先日の氷竜神アリーナ様に対する勝利・・・
見事なり。
十二創造神王の代表・アリーナ様の訓示に従い、平和神リケ・ミケランジェロがここに、キティルハルム女王ミリアリアを「神に勝利した者」と認め、ここに証認するにゃ。」
リケちゃんは、ひざまずく私に声をかけ、平和の剣の腹を私の肩に当てる。
一連の儀式が終了した後、アルナスが集まっていた世界の国賓に声をかける。
「伝説ではあるが、かつて地球のとある民の長は、神と戦い勝利し同様の称号を承った。
やがて、その名は国の名となり、銀河統合戦争時代まで続いた。
重要なのは、この称号はあくまで陛下のものであり「キティルハルムの民」のものではないということ。
世界の重鎮の方々は、誤解されてはならない。」
私は、キッと目をみはった・・・
「イスレの名に於いて、私は「愛が人を傷つけぬように」することを誓います。
無論、「言うは易し」であることは承知の上です。
おそらく、容易ではありません。
しかし・・・
かつてこれは、地球でさえ成されなかった「君主」による誓いです。
願わくば、我が代に成されずとも、続いていくことを!」
その言葉に、謁見の間は歓声に包まれた。
「イスレ」とは、某国の現代では、宗教問題・領土問題の原因になっている国からです。
よって、正式名は伏せました。
旧約聖書(ユダヤ聖書)の記述からです。




