第511話 法の女神
リケ神殿・・・
深夜の行を終え、霊廟を改装した住居に戻ろうとしたリケは、巨大な神波動にびくりとした。
「にゃッ!」
尻尾が逆立った。
「これは、光流神波動・・・!
高位の創造神にゃ!」
リケは、心当たりを脳内検索する。
「ま・・・まさか・・・」
背後に、底冷えする冷たい神波動を感じる。
「あ・・・あちし・・・
「猫神」にゃ・・・
寒いの苦手にゃ・・・
「自宅」に帰ってお休みしたいにゃ・・・」
とりあえず、笑顔でごまかす。
ぎ・・・
ぎぎぎ・・・
油が切れて、さび付いた機械のような音を立てて、リケの首が回る。
「お初にお目にかかります。
創造神王・氷竜神アリーナです。」
その女神は、数多の破壊神を氷漬けにした怖ろしい神である。
氷そのものを表したような銀髪と、悪を許さぬ冷酷さを持っている。
「夜分遅く、こんな地方神の神殿にいかなる御用ですかにゃ・・・?」
凍結しかかって、なんとか動いていると言わんばかりに、リケはかちこちだった。
「・・・あなたは、旧大魔王衆という爆弾を抱え込んでいるようですね。
そればかりでなく、新しく生まれた大魔王や魔王を弟子にとっている・・・」
「にゃ・・・」
「前代未聞です。」
リケは、恐怖で固まった。




