第509話 ユニィシロップ改
「にゅふふ・・・
できた・・・
できたのーッ!」
蜂族のロイヤルゼリーを素材にして、従来の材料とでユニィは健康補助食品「ユニィシロップ改」を完成させた。
さっそく、特許登録の手続きをする。
このあたり、キティルハルムの王族は貪欲だ。
なぜなら、王太子と言えどいつまでも親に小遣いをもらってはいられない。
事実、名を残した王族は、王位に就かず貴族になった者も、大抵こうして自分で使う分は自分で稼いでいる。
母であるミリアムは、多くの技術革新で「成金」となっている。
「これで、母さまみたくカードでお買い物ができるの!」
妙な成金意識をもっている、ユニィである。
実際のところ、各国の王族はあまり贅沢はできない。
と、いうのも彼らの収入は九割は、「公費」だからだ。
だから、成人したキティルハルム王族に驚愕する。
とはいえ、完全な「公人」の王族には大抵副収入がない。
簡単にいうと、「公務員」であるため仕事の内容によってはそのあたり自由が利かない。
「ユニィ様!
今月の収入です。」
夫の補佐官・アルムスが提出した収支報告書を見て、ユニィはにっこりと微笑んだ。
「今日は、アリアさんのお店にいくの!」




