第469話 要塞空母艦の心
意識が、はっきりしてくる・・・
そう・・・
自分は、「娘」と言える猫に後を託して死んだはずだ・・・
「よう!
お目覚めか?
わりぃな!
敵だったオレが起こしちまって。」
要塞空母艦エレノラ・・・
その司令室・・・
「人工知能並びに、再生意識体リンクを確認・・・
あなたは、科学導師ファルスではありませんか・・・」
「おう!
あれから、永い時が流れてな。
あんたの力が、必要になった。
二度目の復活を遂げた超魔王は、勇者たちではなく「猫の女王」とその仲間たちが率いる「リシテアール国連軍」によって倒され、生き残りの大魔王たちは共存することになった。
で、いよいよ宇宙に出ようという矢先だ・・・
別の世界から、世界を破壊した超魔王が侵略してきやがった・・・
あのころとは飛躍的に発展した科学力があるとはいえ、力不足は否めねぇ・・・」
ファルスは、白衣のポケットに両手を突っ込んで言った。
「いいでしょう・・・
いささか無念だったのでね・・・
それにしても、いまのあなたは「生きている」顔をしている・・・」
「まあな。
助手共が、嫁になって娘が四人いる。
ちょっとしたハーレムよ。
あのクソネズミに逢ってみろや!
今や、「進化」した上たくさんの子持ちで、「ジョルジュ」って名乗ってやがる。」
「ぷッ・・・
ははは・・・!
私の分析では、あなたは「大魔王」でありながら「人間」であるようですね・・・」
「まあな。」
言うとファルスは、記録装置をコンソールにセットする。
「当人のご許可が降りたんだ。
インストールするぜ・・・
国連事務総長からの伝言を伝える!
「旧パスキール大帝国・魔女エレノラ」!
あなたに国連軍中枢第二艦隊指令の任を任せる!」




