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第464話 その人を悼むために・・・

現場の調査の結果、巨大なクレーター以外には何もみつからなかった。


遺伝子情報すらも・・・


「リケ神・・・」


教皇がリケちゃんの声をかけた。


「わかったにゃ。

神官エリナーゼの葬儀を、あちしの神殿において行うにゃ。

あなたに任せるにゃ。」


「ありがとうございます。」


「時に、あなたが持っている「記録装置エリナーゼのコピー」・・・

どうするにゃ?」


「破壊します。

彼女は、この世にいることを望みませんでしたから・・・」


話を聞いていて、辛くなってきた・・・


「では、私は幸せなのかもしれませんね・・・」


「ミリアム陛下・・・」


教皇が、私を見る。


「結局は私は、所詮は気に入らないものを叩き潰しているだけのような気がします。

なんだかんだ言っても、私は「猫」ですから・・・」


どうもやりきれない・・・


「陛下・・・

それは違うにゃ。」


「リケちゃん・・・」


「陛下は、「人間族」の頃から自分の幸せを嫌って・・・

自分の恋を嫌って生きてきたにゃ・・・

現世では、幸せになっていいはずにゃ。

そのおすそ分けをしちゃいけない訳がないにゃ!」


「そうだよ・・・

でも「彼ら」はそれが、嫌いなんだ。

特に、どんな形であっても「命」や「愛」から生まれる力を嫌っているからね・・・」


ジョルジュが、自分の尻尾をいじりながら言う・・・


「・・・できれば、宗教色の薄い葬儀にいたしましょう・・・」


教皇が言った・・・


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