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第449話 ミス・トマト
「らららんらんらん・・・」
場違いにも、人兎の少女が、コンテナを引っ張ってきた。
「まったく・・・
こんな会議をめちゃくちゃにしようとは、困った襲撃者ですこと。」
少女は、トマトを取り出しかぶりつく。
「うん!
うまい!
私、トマト専門の錬金術師伊藤トメと申します。
邪馬台国の農業専門学校を卒業し、トマトの品種改良と栽培を生業としています。」
・・・
「トマト・・・」
なにしにきた?
この娘は・・・
「リサーチの結果、トマト加工品が、どこの軍でも消費されているのに、「生のまま」のトマトが売れていないんです!
市販品を食べました。
おいしくありません!
トマト・・・
甘くておいしいべきです!
そこで私、愛するトマトを普及させるため、「伊藤一号」を開発しました!」
いうと、彼女は私にトマトを渡す。
「い・・・いただくわ・・・」
そのまま、がぶりといってみる。
「あ・・・甘い・・・!」
「そうです!
品種改良、遺伝情報書換え、育成・・・
これらで、「トマト」の枠を越えず、いくらでもおいしくなります!」
この熱弁で、彼女はトマトの第一人者・・・
「ミス・トマト」と呼ばれるようになった。




