第434話 敵の目的
ぱちんッ!
エリザベスが指をならすと、それまで黒かった髪が赤毛になる。
ぱちんッ!
今度は、金髪になる。
「・・・くだらない術だね・・・」
「ジョルジュ様・・・
そのくだらないところがいいのですわ!」
秘術・エリザベスカラーである。
私たちは、ライテス邸に来たのだが・・・
「まったく・・・
ふざけすぎよ・・・
エリザベス。」
「あ~ッ!
アルテ卿・・・!」
お茶と茶菓子をもってきたアルテが、ぴしゃりと言う。
「今、母上が遺伝子情報の解析をしています。」
「う~・・・ぜんぜんそれらしいものがみつからん・・・
遺骨の遺伝子情報は、約六十パーセントが崩壊している・・・
いっそ、今代からは、遺伝子情報を抜くか?
いや・・・
そんなことをすれば、「遺骨」自体残らんし・・・」
アルナスが、物騒なことをぶつぶつ言いながら、現れた
頭をぼりぼりとかきむしって・・・
「母上・・・
フケが舞っています・・・」
「フケⅡってな・・・Ⅲはないが。」
「親父くさいですよ・・・」
「ババアと言え。」
ふてくされながら、アルナスは紙を取り出した。
「まったく・・・
こんなゴミほども遺伝情報が残っていない遺骨で何をしようってんだ!
狙いはわかるが、理解できん!」
「あちゃあ・・・
さすがライテス君だ・・・
自分の遺体も「後処理」していたとはね・・・」
「が、油断できん・・・
ウチは、「人間族」「人狼」「エルフ」「竜族」の血が混ざった「混在種」だ!
変なところから、補修・強化されかねん!」




