第430話 風の勇者とは?
「ねえねえ・・・
風の勇者にあうの?
どんな人?」
リニアモーターカー・トラルティール・エクスプレスの車内で・・・
ミサが尋ねてきた。
「そうねえ・・・
当人にはあまりあってはいないけど、その伯父はアルナス卿に会わせたくない人よ。」
「それって、アルナス卿が昔フッた人でしょ?」
レンちゃんが言った。
「ええ。
目的地は、トラルティール王国・ウズドガルド大公領。
その跡取り、エリザベス・ウズドガルド卿が剣と風魔法の使い手で、今年騎士団に入っていきなり黄金騎士になっただけでなく、巡洋艦の艦長になるんじゃないかとも言われる天才よ。」
「でも、どういう人なんだい?」
ナンモナイトクッキーをかじりながら、ジョルジュが聞いてきた。
「ウズドガルド領は、トラルティールの貴族領の中で最大よ。
初代トラルティール女王が、初代大公を兼任していたのね。
で、その親戚筋の当時の風の勇者が大公位を継いだのね。」
「確か、暗黒神波動の制御は、天空の勇者や闇の勇者についで優秀だと聞きますね。」
ニコが、ペットボトルのお茶を飲む。
「うん。
二代目大公は、僕もよく知っている人だよ。
ファルス君もね。」
ジョルジュが言った。




